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妖怪百物語  作者: keikato
159/926

159 舌長婆

 舌長婆という妖怪がおります。

 南陸奥の芦野原街道の諏訪千本に出没していた婆で、一見すると普通の老婆ですが、5尺もある長い舌で眠っている人間をなめまわし、骨になるまで肉をそぎ取って食べたといいます。

 ある晩。

 舌長婆が棲み家に迷い込んできた武士の寝込みを襲おうとしていたところ、妖怪仲間でも特に親しい間柄の朱の盆がやってきました。

「舌長婆、舌長婆、朱の盆じゃ。食うのがはかどらなければ、ワシが手伝ってやろうか?」

 この声に目を覚ました武士は、一太刀のもとに朱の盆を切り裂きました。

 朱の盆が消えます。

「おうっ!」

 舌長婆は武士の剣に恐れをなし、長く伸ばしていた舌をあわてて引っこめました。

 舌を巻いたのでした。


・舌を巻く=舌を引っこめる

・舌を巻く=驚き、恐れ、また、感嘆してことばも出ない

・五尺=約150センチ


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