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150 灰坊主
灰坊主という妖怪がおります。
これは秋田県や岩手県に伝承があり、秋田県仙北郡や雄勝郡では囲炉裏の灰の中に棲んでいて、悪さをした子供らの頭を容赦なく小突いたといわれています。
正体は不明だといわれ、名前にある「坊主」は僧形ではなく、化け物といったような意味だといいます。
また子供たちへの戒めや教訓のため、次のようなときにも灰坊主は現れるとされました。
風呂に2回入る。
裸で便所に入る。
仏壇に供えた一膳飯を食う。
灰坊主は灰をいじると現れることから、親たちは子供が灰をいじっていると、「灰坊主が出るぞ!」と言って脅しました。
これには子供らもなれたものでした。
「ハイ、ハイ」
・ハイ=はい(返事)=灰
・一膳飯=故人にお供えするご飯




