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141 酒呑童子
酒呑童子は丹波国と丹後国の境にある大江山に棲んでいた鬼の頭領でした。
平安時代の頃。
酒呑童子は配下の鬼を従え、京の都に出向いては悪事を働いていました。
ある日。
源頼光の率いる討伐隊が、酒呑童子が棲み処としている洞窟へやってきました。
洞窟の中には、抜け道となる横道などはありません。
観念して和睦に至りますが、その場で神酒を飲まされて動きを封じられ、寝首を掻きとられました。
だまし討ちにあったのです。
酒呑童子の首は宙を飛び、頼光へ襲いかかって兜に噛みつくと、「鬼はこのような卑劣なことはせぬ。鬼に横道なし」と激しくののしりました。
洞窟に横道はありませんでした。
・横道=横道なし
・鬼神に横道無し=鬼神は道理にはずれたことはしない
・源頼光(948~1021・平安時代中期の武将)
 




