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妖怪百物語  作者: keikato
133/922

133 磯撫で

 磯撫でという妖怪がおります。

 これは江戸時代後期、桃山人の奇談集『絵本百物語』に次のような話があります。

「外見はサメに似ており、尾びれに細かい針がおろし金のように無数にある。

 北風が強く吹くと現れ、近くの海を通りかかる船を襲う。

 その襲い方は実に巧みで、水を蹴散らして泳ぐのではなく、あたかも海面を撫でるかのように近づき、人を襲うまでは決して姿を見せない。

 そして尾びれの針で人を引っ掛けて海中に落とし、食べてしまう。

 船乗りにとっては決して防ぐことのできない恐るべき存在であり、また魚を釣るはずの人間が逆に魚に釣り上げられてしまう」

 この磯撫で。

 獲物を引っ掻けようと、辺りに一面にハリメグラシテいたのでした。




・ハリメグラス=張りめぐらす=針めぐらす

・桃山人(とうさんじん・1804~1844・戯作者)

・『絵本百物語』(1841年刊行・奇談集)


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― 新着の感想 ―
[良い点]  なるほど、『磯撫で』は面食いなんですね。 (↑違う)  これは、助かった漁師も、なかなか複雑な気持ちかも。
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