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124 アカマタ1
アカマタという妖怪がおります。
蛇が美しい青年に化けたもので、沖縄県に次のような話が伝わっています。
ある日。
漁師の娘が海辺で美しい青年に出会いました。
二人はお互いのことが好きになり、それからは幾度となく浜辺で落ち合うようになりました。
やがて青年のことが親に知られてしまいます。
青年は立派な男でしたが、なぜか素性のことになると口を閉ざしました。
心配した父親は正体を突き止めようと、青年の着物の袖に一本の赤い糸を縫いつけました。
青年が帰ったあと父親が糸をたどると、そこには赤い糸のついた蛇がいて、青年がアカマタだったということがわかりました。
このアカマタ。
赤い糸のほかは一糸もまとっていませんでした。
・赤い糸=一糸
・一糸まとわず=1枚の衣服も着ていない




