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122 ガラッパ1
ガラッパという妖怪がおります。
南九州に伝承があり、その名前から単に河童の訛った呼び方だとされる一方、河童に似た別の妖怪であるともいわれています。
悪戯好きな性質で川に棲み、春と秋に山と川を行き来するなど河童との共通点が多いなか、ガラッパは足の長いのが特徴で、座ると膝小僧が頭より高い位置になったといいます。
これは人の目には見えず、声や音だけが聞こえる正体不明の妖怪といわれたことから、山中での怪異現象は、すべてガラッパのしわざにされました。
一方で仕事を手伝いに、ガラッパは人前にたびたび現れたといいます。
ただ、村人はそれを喜びませんでした。
このガラッパ。
長い足が仕事のアシデマトイになったといいます。
・アシデマトイ=長い足がまとわりつく
・足手まとい=邪魔になる




