119/920
119 金霊
・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)
・『今昔画図続百鬼』(こんじゃくがずぞくひゃっき)
金霊はお金の精霊です。
江戸時代中期、鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』にあり、これは正直者のもとに飛び込んで家を栄えさせますが、欲に溺れると去り、金霊が去っていくと家は滅ぶといわれています。
金霊が住まう屋敷。
その家にふらりと、怪火の金玉が久しぶりに遊びにやってきました。
この金玉。
やはり「かねだま」と読み、住まう家を栄えさせる点では同じ類いのものですが、精霊の金霊とは似て非なるものでした。
「おまえ、ここへは来るなと言っただろ!」
金霊が金玉を追い返そうとします。
「なんでそんなに嫌うんだ?」
「迷惑なんだよ」
「迷惑だと?」
「呼び名は同じでも、おまえは金玉。まちがえられてはたまらんのよ」




