113/921
113 迷い家
迷い家は山奥にある幻の家です。
東北地方などに伝承があり、この家にある物を一つでも持ち帰ると、その者には富貴が授かったといわれています。
その昔。
某男が仕事で山に入ったのですが、この日は道に迷ってしまい、ふと気がつくと大きな屋敷の前に立っていました。
屋敷には家畜が飼われており、家の中では火鉢の鉄瓶から湯気が出ているのですが、声をかけても誰もいませんでした。
この日。
男はこれを迷い家とはわからず、何も持たずに帰ってしまいました、
不思議と帰り道はわかります。
その後。
先日の屋敷が迷い家だったのではと思った男は、今度こそ富貴を授かろうと、すぐに迷い家に向かいました。
この日。
マヨイガありませんでした。
・マヨイガ=迷い家=迷いが




