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妖怪百物語  作者: keikato
112/921

112 毛女郎

 毛女郎という妖怪がおります。

 江戸時代の黄表紙をはじめ、鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』などに描かれてあり、これは顔が隠れるほど長い髪をした遊女姿で、遊廓に現れるとされています。

 黄表紙で描かれた毛女郎は、その不気味な印象とは対照的に人気者のようで、男の妖怪たちが毛女郎をめぐって争ったり、反対に毛女郎が恋仲になった妖怪のために、相手の名の刺青(いれずみ)を入れるなどの儀式をしている場面が見られます。

 ある遊廓。

 某男が知り合いらしき女のうしろ姿を見かけ、かけ寄って顔を見ると、その女は全身が毛におおわれた毛女郎でした。

「げっ!」

 男は腰を抜かして尻もちをつきました。

 毛女郎が笑います。

「ケケケ……」


・ケケケ=毛=ケケケ(笑い)

遊廓ゆうかく=公許の遊女屋を集め、周囲を塀や堀などで囲った区画

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『今昔画図続百鬼』(こんじゃくがずぞくひゃっき)

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