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妖怪百物語  作者: keikato
108/924

108 化鯨

 化鯨ばけくじらという妖怪がおります。

 出雲の島根半島に伝承があり、死んだ鯨が怨霊となって現れ、その姿は身も皮もなく骨ばかりだったといいます。

 ある雨の夜。

 海の沖合いから、白くて大きなものが浜辺へと近づいてきました。

「鯨だぞー」

 漁師たちはみな色めき立ちました。

 鯨1頭で3カ月は食える銭が手に入るのです。

 漁師たちはこぞって船を漕ぎ出し、それぞれが鯨に向かってもりを投げ込みました。

 ですが、鯨はなぜかビクともしません。

「おい、見ろよ!」

 ある漁師の声によくよく見ると、それは肉も皮もない白い骨ばかりになった鯨で、しかも骨は銛であちこちが折れていました。

 この日の漁。

 骨折り損のくたびれもうけでした。




・骨折り損のくたびれもうけ=苦労しても疲れるだけで、少しも成果が上がらない

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