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妖怪百物語  作者: keikato
10/920

10 板鬼

 いた鬼という妖怪がおります。

 当時の鬼は妖怪の総称で、平安時代末期の説話集『今昔物語集』に次のような話があります。

 ある夏の夜更け。

 侍二人が宿直の役に当たっていると、向かいの屋根から一枚の板切れが突き出していました。

 やがて板切れが隣の棟に飛び移り、二人が急いで駆けつけると、そこで寝ていた仲間が板に押しつぶされていました。

 格闘の末、二人は板を取り押さえ、逃げられないよう庭の木に縛りつけました。

「何かの化け物だろう」

「狸や狐なら尻尾を出すはずだ」

 一人が刀のさやの先で小突きました。

「いたっ!」

 板が声をあげます。

 もう一人が少し強く打ちました。

「いたっ!」

 今度は前にまして強く打ちました。

「イター」



・イタ=板=痛

・『今昔物語集』(作者不詳・平安時代末期に成立の説話集)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 寝ていた仲間、板鬼に押しつぶされてもなお、ぐっすり寝て「いた」のかしら。板鬼は逃げるから板から開放はされたとして、でも侍二人は捕獲に忙しいから寝ていた仲間は放置されていたりして……。想像し…
[気になる点] なんで板だったんでしょうねぇ……? もっと、なんかこう、あったでしょうにね。
[良い点] 単純だけど、おかしくて吹き出しましたww
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