第二話 チートな世界へようこそ!
「あひゃはははははひっはははははははははひっははははははは」
「おええええええええええええええええええ」
笑い声が響く中、オレは決壊したダムのように口から吐瀉物を盛大にまき散らした。
物凄く気持ち悪い。
それもそうだろう。便器中の水を大分飲んだ。気持ち悪くならないわけがない。
「ひーっひゃははははははは息がぶしゅしっくひはははははできなっひははははははは」
誰だか知らないが、笑いすぎだろ。
その笑い声は、10分間続いた。
「貴方物凄い死に方したわね。うんこで足滑らせて便器に頭突っ込んで死ぬなんて初めてみたわ」
笑いの主は少し落ち着きを取り戻した様子だったが、
「うるせ……うっ……まだぎもぢわるい……」
オレは未だに落ちつけなかった。
「治してあげたいけど、精神的な物だから無理ね」
だろうね。なんせ死んでもまだ気持ち悪いってもうそれしかない。
「ってかやっぱり死んでるのか」
「当然!」
めっちゃいい笑顔で言Aわれた。それにしてもこの人誰だ。
金髪で凄い美人さんだけど……。
「えっと、誰? 女神的な人?」
「私? 違うわ。貴方と同じ、転生者よ」
「えーっと……」
なんだこの展開は。というか、こんな展開ってあるんだ?
「異世界転生ってわかる?」
「あー、うん。もういろんなことで跋扈してるやつね」
「そのあれ。貴方は転生の資格なかったんだけど、めっちゃ面白い死に方だったから転生させちゃった」
「そんな理由で!? 転生軽くない!?」
もっとこう、素質的ななにかが必要なんじゃないの?
「あんな死に方で終わるよりいいでしょ?」
「そりゃそうだけど……」
「じゃあ、そろそろ私達の世界の説明をするわね」
「その世界って、このだた真っ白な世界?」
オレは周囲を見渡す。どこを見ても360度真っ白い世界。雪いうわけではない。ただ白いだけだ。そしてそれは上も下も全部白い。自分が今四つん這いだからいいが、多分立っていられないだろう。
目の前の金髪美女は平然と立っているが……。
「違う違う。これは私のスキル。転生させたのも私のスキル」
「例のチートね」
「そう、そのチートスキル。そのスキルはランダムで一つ決まるの」
「完全に運ってわけだ」
「そうよ、この段階では」
この段階では?
気になるような言い方をする。それに問題はまだある。
「白い世界と転生させるスキルって同種には思えないんだけど……」
「勿論違うスキルよ。スキルは奪うことが出来るの。奪い方は簡単。相手を殺すこと」
「超物騒な世界! なんでこんな世界に転生させちゃうんだよ!」
平和な世界が良かったよ。殺し合いなんてしたくない。
「最後までちゃんと説明を聞いて! 奪えるスキルは一つだけ、相手が複数持っている場合は好きなスキルを選択できるわ。一個しかなかったらそれしか選択できないけどね。それで大事なのは奪われた側、つまり殺された側なんだけど、一個しか持っていなかった場合はもう一度ランダムでスキルが貰えるわ」
「え? それってつまりまた転生出来るってこと?」
「転生というより、生き返るって感じかしら、世界は変わらないから」
「死んでも生き返る……。なにそれ無敵じゃん」
「全員ね」
全員?
全員って言ったかこいつ。
つまり全員がチート持ちで、不死ってことか?
「村人的な人は!?」
「全部死んだわ」
「うわー」
もう一回言わせて。
なんて物騒な世界なの……。
「それで復活先なんだけどね、それは死んだ場所かランダムかを選べるの」
「なるほど。でも死んだ場所って殺された場所だろ。わざわざ戻るバカ居ないんじゃ?」
「そんなことないわよ。雑魚に不意打ちで殺されて、スキルを奪われたとしたら、貴方ならどうする?」
「ああ、奪い返すな。そう言うことか。複数持ってた場合とかなら、他のスキルで対抗して奪い返すことができるわけね。0になった時はランダムだから確実性はないけど、取り戻すチャンスはあるってことか」
「そういうことよ」
なんとなくだが、世界を把握できた。
「地形なんかは時間経過で元に戻るから、ぶっ壊しても平気」
「星事態が再生のチート持ちって事ね。把握」
「そういうことよ。大事な説明は大体こんな感じで終わりとして、ゴホン」
金髪美女は両手を広げた。
突如、白い世界から切り替わる。
雄大な自然の大地。
ドラゴンが火を噴き、山を焼き払っていた。
「チートな世界へようこそ!」
予約しようとしたら、間違えて投稿しちゃった。
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