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書きたくて書いた短編

俺の事を兄貴と言って着いてくる子分女子が消える夢を見てしまい、可愛い過ぎて告白してしまった。

小学生の頃、悪ガキにいじめられていた女子を助けた。


その女子は、同学年なのに俺の事を兄貴と言って敬語で話して、後ろを着いてきた。まるで不良の子分の様な感じだった。


しつこいので追い払ったのだが、それでも着いてくるから俺は追い払うのを諦めた。


ーーーその関係は、高校生になった今も変わらず。





―――




「兄貴!話聞いてます?」


「ん?どした?」


全く聞いてなかった。


「やっぱり聞いてないじゃないですか!…明日の予定って空いてますか?」


ジト目で俺を睨みながら俺に予定を聞く新島。


「空いてるぞ?」


「それなら、兄貴の家遊びに行っていいですか?」


「いいぞ、別に」


「やった!…よっしゃ兄貴の家に行ける!」


なんかぼそっと呟いたか?気のせいか。


「たくさんゲームしましょうね!」


「おお、そうだな」


その後は、適当に話して新島を家まで送ってから家に帰った。



―――




その夜、俺は夢を見た。


新島が死んだ日常の夢だ。


いつも隣で楽しそうにしている新島がいない。


胸が痛かった。切なくて、苦しかった。


新島に会いたい。新島に隣にいて欲しい。


俺は自分にとって新島が大切な存在、好きなんだと言う事を自覚した。



―――






11時頃、新島から電話があり今から来ても迷惑じゃないかとの事だったので、来いと言った。


が、ヤバい。どうしよう。新島と顔を合わせられない。絶対直視できない。話すだけでもやっとだったのに。


女々しくあたふたしてたら、インターホンがピンポーンと鳴った。覗くと、新島がいた。


待たせては悪いので、ドアをさっさと開けに行く。


「こんちは。兄貴っ」


そこには買い物袋を持った私服姿の新島がいた。やべぇ…めちゃくちゃ可愛い。


「…お、おう」


消えそうな情けない声を絞り出すだけで限界だ。


「どうしたんです?」


「い、いや、なんでもない…」


「それならいいんですけど…ところで、兄貴ってもう、お昼ご飯食べちゃいました?」


「い、いや、ま、まだだ」


「私がお昼ご飯作ってもいいですかっ?」


「ぐふっ」


可愛さのあまり膝から崩れ落ちそうになった。


「あ、兄貴?」


「いや、なんでもないから…」


何とか立ち上がりかけた俺に更なる追い討ち。


「熱は…無いですね…」


新島の小さな手のひらの感触が広がる…顔が近いっ!


「ぐはっ」


「兄貴!?ほんとにどうしたんですか!?」


大丈夫だ…


「新島が可愛い過ぎてヤバい」


「…ほへ?」


「…あっ」


「…えーっと、その、あはは…」


「あはは…」


『………』


思ってる事と言う事が入れ替わってしまった。


どうしよう。この空気。


「と、とりあえず、お昼ご飯作りますね」


「えっ、わ、分かった」


なにも言えない空気の中、新島がキッチンで黙々を料理する。俺はそれを見ながら、この後何をどう話そうかを必死に考えた。が、何も出なかった。




―――




「そ、それで、さっきのって、告白ですかね?」


新島が恥ずかしそうに下を俯きながら聞いてくる。


告白か。俺はもちろん新島が好きだ。だが今のは事故だ。


「そ、その、告白というか、事故というか…思ってる事がポロッと口に出てしまったんだ」


「お、思ってる事…」


「あっ、」


ヤバいヤバいヤバい…絶対キモいって思われた。


「わ、私も!」


俺が焦っていると、新島が何かを言おうとする。


()


「私も、ずっと前から兄貴の事が好きです!もちろん、1人の男として!だからそ、その、私の彼氏になってください!」


告白したかと思えば、手を差し出してきた新島。


「こ、こちらこそお願いします」


思わず敬語になってしまった。


そのまま握手の状態で30秒ほど。


「ご飯冷めちゃうし、早く食べましょうか!」


「お、おう!」


俺たちは一切手を付けていない飯を食べる事にした。


ロールキャベツ、美味かったです。




ここまで読んでくれてありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めて感想を書かせて頂きます。 来留美と申します。 彼が彼女を可愛いと思っていることが無意識に口から出てしまい、彼にとって彼女がどれだけ可愛いのかが読み取れました。 やっぱり男性も可愛…
[一言] ランキングから来ました。 可愛かった。やっぱり、出来上がっちゃった関係から一歩進むのって、何かきっかけがないと難しいですよね。
[一言] 純情ていいね!
2020/12/05 16:14 退会済み
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