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第1章
8/9

強襲

腕時計は夜中の2時を指している。



王宮の周りは何重にも兵士を配置して厳重な警備だ。

さすがに内務卿が殺害されてるだけの事はある。


ホークは王宮から程近い高い塔の上から例のマントで体と気配を隠し様子を見ていた。

王宮の中も隙間なく騎士団が配備されている。これでは暗殺も難しいだろうと考えていたら

ドォーン!と大きい音を立てて

王宮の1番高い所にある灯りが消え代わりに煙が立ち込めいっきに火柱が上がった。


「王妃様の安否の確認を優先しろ!」

「消化を急げー!」

「賊を逃がすな!!」


どうやら…この状況下でやったようだ。


同然王宮内は大混乱だ。

この混乱に乗じてホークも潜入した。

目指すは2番目に高い東の塔だ。

聞き出した情報によると、そこには現在療養中の国王がいて、3番目の妻・側室のエリザベスがつきっきりで看病にあたってるようだ。

2番の側室は数年前から病気で現在は実家にて療養中で側室の役目を果たしていない状態だった。


賊の狙いが内務卿と王妃だけなら、義賊かもしれないが王様も狙うなら話は変わってくる。

ホークの読みでは、きっと後者だ。


東の塔には王がいるのに警備が全くいない。これは明らかにおかしい。

何か大きな力が影響していそうだ。


ホークは急ぎ塔の頂上にある王の部屋に向かう。

入り口すら警備がいない。

ノックをすると中からエリザベスがドアを開ける。

「貴方は一体誰ですか!ここを王の部屋と…」


「エリザベス様、どうかお声を抑え下さい。私はホーク、ウスアイアにあるエルダー商会の者です。マウリシオ様より王の警護と親書をお持ちしました。」


「マウリシオ様は王のご学友のお一人…。分かりました。貴方を信じましょう。しかし警護とは?」


ホークが手短に説明すると、エリザベスはどうやら内務卿が暗殺された事を知らなかったらしい。そしてどうやら王様も半ば軟禁というか幽閉に近い扱いだった。


奥の大きなベッドにやつれた50代いや、60代の男性が寝ている。

この国の王エドガー3世だ。


力のない声で「マウリシオの手の者か。ヤツにも色々心配をかけてしまっているようだな。」


やつれて覇気はないが王の威厳・風格がある。


「お初にお目にかかります。エルダー商会マウリシオより親書を預かり陛下にお渡しする役目を負いましたブラック・ホークと申します。以後お見知り置きを…。その前に…いい加減出てきたらどうだ?」


「ふっ、よく気づいたな…。いつから分かっていた?」入り口には黒ずくめの男が立っていた


「俺がこの部屋に入った時からだよ。隠してもその殺気は抑えられないだな。内務卿と王妃だけでなく王の命までとりにくるとは誰の指示だ?」


「貴様などには関係のない話だ。命が惜しければこのまま消えろ。そうすれば命だけは助けてやる。」


「断ったら?」


「死体が2つから3つに増えるだけだ!!」


黒ずくめが、一気にホークの間合い近くまで詰めてくる、すごいスピードだ。

(こいつ。かなり速いな…。銃じゃ当たらないか。)


ホークは腰に差した刀を抜く、美しい刃紋と白い鍔と白い柄。刀の銘は「袖白雪(そでのしらゆき)

黒ずくめの男は両手にダガーを持っていた。対象的に刃は黒く何か刃先になっているようだ。おそらく毒か。


武器のリーチを考えると懐に入り込まれると不利か…。黒ずくめがこちらの間合いに入りきる前に、こちらも加速して相手の胴回りにむけて振り抜く。


「あぁ?」

その声を聞いた1秒後にはゴトッと音がして体が真っ二つになって、黒ずくめが倒れこむ。


「そなたはの腕は超一流だな。」

エドガー3世がベッドの上から声を掛ける


「ありがとうございます。お怪我はございませんか?」


エリザベスに至っては気づいたら黒ずくめが真っ二つなっていた。

「貴方はいったい…。」


「エリザベス様、ご安心を。それよりもおそらくもう1人ここにくるでしょう。」


「え?」

「すみません、もう来てます。陛下のお側で動かないように」

「え?え??」

「出てこいよ。さっきの奴はもう片付けたぞ?」

物音も立てずに同じ黒ずくめが立っていた。たださっきの奴と違い少し小さいというか細い気がする。

おそらく女か。


「あの馬鹿はしくじったか…。キサマなかなかと強いな?」

「さあ?どうかな?ここで試してみるか?」

刀を握りなおし構える


「仕事は済んだ。もうここにいる必要はない。キサマと戦っても無意味だ。」

そう言うと物音も立てずにフッと消えた。


その5分後


「陛下!!お怪我はございませんかー!!」

下からもの凄い大声で大男が鎧の音をガシャガシャ立てて階段を登って部屋に入ってくる。


「ローレル大丈夫だ、それよりもその大声を何とかしろ…頭に響くしエリザベスが怖がる。」



「貴様!何者だ!!ここをどこだと思っ…」

「ローレル!イイ加減にせんか!この者は私とエリザベスを救ってくれたのだ。」


「へ?」

「第2騎士団長のローレル様ですね?私はエルダー商会のホークと申します。我が商会の会頭マウリシオの命でここにあります。」


「全く、脳筋のお前にはこの状況を整理できんか。すまぬなホークとやら。許して欲しい。」


こうして今回の内務卿と王妃暗殺の幕は未解決のままだが一旦降りる。

もちろんこの後にホークには褒美・ローレルにはお説教が待っていた。











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