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(仮)  作者: (仮)
第1章
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アリアナとの出会いとマウリシオからの依頼

ホークがフエゴから帰ってきたその日、討伐の証と書類を持ってギルドへ赴いた。


そしてギルドでは問題が起きた。

当事者はホーク自身だ。

そのホークは現在、2階の奥の部屋で誰かに待たされていた。


その理由は…


まだEランクなのに、ソロで「最果ての迷宮」を75階まで踏破し討伐の証に角を持って帰ったから。

そんな話は()()()()()聞いた事がなかったからだ。

そう何十年は。


--待たされること約20分--

コンコンとドアをノックする音がした。

「は〜い、どうぞ。」と返事をする。


「失礼します、お待たせしましたね。」

そう言って現れたのは褐色の肌に大きな耳をしたアレだ。そうダークエルフである。


「ウスアイアギルドを管理してます、マスターのアリアナです。ブラック・ホークさんですね。」


「はい。ホークです。私はなぜココに?」


「何点かお聞きしたい事があってお待ちいただいてました。答えたくないモノには拒否できるルールですが、アナタの事を知るためにはやましい事がなければ出来るだけ答えて欲しいのです。」


「はい。お答えできる範囲内であれば何でもお話ししますが、身の安全は保証してくれますか?」


「アナタが賢い人で良かった。もちろん現状は保護する対象にありますが、答えしだいでは拘束する事も考えなければなりません。まずは…。」


約2時間話合いは続いた。


ホークは、アリアナを信頼出来る人だと感じ素直に話した。(ただし世界神の事は伏せて)

気がついたらこの世界にいた事にした。


「ではホークさんはこのプリニウスとは別の世界から来たという事ですか?その腰の武器は、この世界のモノではないという事ですね?」


「まぁ、そうゆう事になります。気がついたらウスアイアの近くの森にいて。この武器はブラックホークという名前の銃です。」


「それは、ホークさんと同じ名前ですね。ご自身で作られた武器なのですか?」


「いえ、自分の名前が思い出せず、やむなくこの武器の名を借りました。銃とは剣や槍のような武器の総称で元の世界では、個人が使う武器としては殺傷能力が高いモノです。私の世界では誰も魔法は使えません。」


「え?魔法が全くない世界?それではケガをすると自然と治るまで待つのですか?」

アリアナは不思議そうにホークに尋ねる。


「いえ、ケガや病気はきちんと分析をしてそれに対しての治療や薬があります。魔法はないけど、それに匹敵する科学があります。」


あまりアリアナは納得はしていないようだが

「そうなのですね。」と答える。


「この銃は本来、弾と呼ばれる鉄の塊を詰めて相手を攻撃するモノなのですが、この世界で使えるようにいくつか仕様が変わっていました。」


言いかけるとアリアナさんは

「なるほど彼と同じか…」と小さく呟いた。


「彼と同じ?どうゆう事です?」


「ずっと昔の話よ。アナタと同じ様に別な世界から現れた男を知っているの。」


「本当ですか?(やっぱり俺以外にもいたんだ)」


「130年くらい前にね、彼はフラっと現れたわ。類稀な魔力の持ち主でね全ての属性の魔法を使えたわ。ただ…。」


ただ?とても気になる。

アリアナはそれ以上は話さなかった。


ウスアイアギルドとしては、現状の所はホークは危険人物とは認めず有望な新人(ルーキー)が現れた。とする事にしたのだ。


ホークのランクはEからCへ上がり、ギルドを後にした。

これでシルバーの仲間入りだ。

シルバーになるとギルドと提携しているお店で優遇処置が得られる。例えば宿が1割引きなるなど恩恵が多い。


エルダー家の屋敷に戻り、その日はさすがに疲れたのかぐっすり眠れた。



――翌日――


ルーシアにCランクになった事を伝えたら、なんとも複雑な顔をされてしまった。

そのまま用事があると足早に出かけてしまった。


ものすごく広いリビングでお茶を飲んでるとマウリシオさんがやってきた。


「やぁホークちょっと時間あるかい?」

「はい、大丈夫です。何か?」


「うん、実は君に折り入って頼みがある。自警団の事は知ってるかな?」

「はい、元々はマウリシオさんが団長をやってて今はルーシアが引き継いでやってるって。」


「そうなんだ。ルーシアが就任してから今までは大きな事件もなく済んだのだが…。」と口を濁す

「何かあったんですか?」


「うむ。このウスアイアは大陸の南端にあって、何か有っても外敵から守りやすい土地なのだ。」


たしかに、この世界には海軍の様な艦船で攻めてくる様な事はない。せいぜい貨物船や小型の旅客船止まりで造船技術が著しく欠けた世界なのだ。

大陸の南端で海からの侵略がないとすると北の守りを固めるだけでいい。


「たしかに地政学上はそうなりますね。となると、北からのは侵攻がなければ、ウスアイアで内紛が起きなければ、何も問題はないと?」


「うむ、そこまで分かっているなら話が早い。まだ噂の段階だがその北が攻めてきそうだという情報が今朝方に届いた。」


「なるほど、ルーシアはそれで…。」

「そう言う事だ。そこでだが…」


「はい、じゃ北に行って少し探ってきましょう。この街に来たばかりの私なら顔が知られていない。偵察にはピッタリだ。」


「何も言わずとも、そう言ってもらえると大変助かる。ただしくれぐれも深入りはせずに身の危険を感じた時には逃げて来てくれ。」


「分かりました。それでは用意ができ次第ここを発ちますね。とりあえずその大きな街に何日か潜入に行ってきます。」


「最果ての迷宮から帰ってきたばかりで疲れているだろうに…。当座の活動費用はこちらで用意する。金貨30枚もあればロカの安全な宿もしばら泊まれるだろう。それと別に活動するのにもう50枚金貨を持って行ってくれ。」


――1時間後――


セバスチャンにやや使い古した感のあるマント・ハーフプレートと少しくたびれたブーツを用意してもらい、いかにも冒険者感を出せるように着替えてエルダー家を出た。

デビッドの形見のハーフプレートとブーツではあまりに高価過ぎて怪しまれそうだったからだ。


目指すは、とりあえず北の街リアガジェゴスだ。

そこで一泊して、馬車に乗り数日北上して北の大国アルヘンティーノの首都ロカに入る予定だ。













ギルドマスター アリアナさん ダークエルフ


北の街 リオガジェゴス


北の大国 アルヘンティーノ

首都 ロカ

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