表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)  作者: (仮)
第1章
5/9

「最果ての迷宮」

現在スマホの時間は24時。迷宮に入ってほぼ半日が経過したようだ。

ようやく眠気も出てきた。


ギルドの職員の言いつけをさっそく破り、現在は地下28階にいる。

ここは広い空間になっている。ギルドが管理している75階まではこういった広い空間の階で仮眠が取れるように簡易的なベッドとテーブルを備えた3畳ほどの小部屋がいくつも用意されている。魔力で鍵がかけられて、就寝時に襲われる事はない。

今夜はここで一泊することにした。


ホーク以外にも、何組か潜っている冒険者はいるようだ。


地下なので陽の光は入らないが寝て起きたら、朝の8時過ぎだった。

「うーん、意外と簡単にここまで来たな。50階までは全然行けそうだな。」


この分なら地下75階まで行けそうか。帰りは脱出の魔法で一瞬だしな。


順調に地下に潜って行く。


ちなみに現在、地下33階に出てくるのは…。

ゴブリンナイト・インペリアルオーク・三色スライムだ。


ゴブリンの上級種にオークの最上位種、三色スライムは魔法の三属性耐性を持つちょっとやっかいなスライムだ。


だが、まだまだ一撃で倒せる。


さらに潜って地下50階に到達、そこで3人組のパーティと出会う。 男1と女2の組み合わせだ。


3人組はこのフロアのボスのワイバーンに苦戦しているようだ。

ワイバーンは種別でいくと龍族に属するが、ドラゴンの中では知力も低く人語も話せない。ただ思うがままに暴れて食べたい物を食べる。人であっても彼らからすると只の餌でしかない。


甲高い鳴き声の後に青白い炎のブレスを撒き散らす。


「ちぃっ、ここまで来てワイバーンかよ!」

「焦らないで!何とか隙を見て逃げるわよ。」

「私が魔法で引きつけるから、2人は先に上に上がる階段まで逃げて!」


さぁて、どうしたものかな。助けて邪魔者扱いも面倒だが?


ワイバーンがさらにブレスを吐く。


かなり状況は悪そうだ…。仕方ない。


「そこの3人組、僕が援護するから後ろに走りな!」


一気に加速して三人の前に立つ。知らない人に銃を見せる事もないだろう。

デイビッドのレイピアを右手で構える。

ブレスを相殺するのに、左手に氷の魔力を込める。

凍らせて静かにしてもらおう。


「大気中の水分よ、凍てつく氷となりて総てを凍らせろ。ブリザード‼︎」


青白い炎が一瞬で凍り、ワイバーンもあっという間に氷細工のようにカチコチに凍らせた。

その後で首を一刀両断する。


魔法が解け、ワイバーンは尻尾を残して氷とともに姿を消した。


「あ、ありがとう…助かった…。」


「いえいえ、先を急ぐのでこれで。あ、ちなみにあなた達はここで引き返した方がいいですよ。この先はもっと強い敵が出そうだし。」


「ええ、そうするわ。」「あのお名前は?」


「名乗るほどのモノじゃないですが、ホークと言います。もしまた会えたらご飯でも奢ってくれれば貸し借りゼロですから、それじゃ。」



名前も聞かずホークはその3人組を置いてさらに地下に潜って行った。


ーーー3時間後--ー


やっと地下75階に到達した。

やっぱりここにもボスがいた。

サイみたいな顔が2つで立派な角が3つも

見た目は完全にあの恐竜だ。


名前は…。スクリーンで検索してみる。

あった、ダブルトリ○ラトプス。

まんまやん。


案の定、コイツもブレスを吐く。

さっきの小物(ワイバーン)と違って2つの頭で違う種類のブレスを使っている。


どうやら右が炎で左が氷のようだ。


まずは右の炎の方の頭を撃ち抜く。

「ギャー!」うるさい叫び声を出して片付いたと思ったら…あれ?再生した。

今度は左を撃ち抜くとこちらも叫び声の後に頭が再生した。


ん、もしかして一気に2つやらないと再生するパターン?

今度は連射モードに切り替えて、早撃ちで撃ち抜くが…再生する。



んー。これって急所が頭じゃないって事か?


スクリーンを音声検索をする。

「アイツの弱点どこ?」

「ダブルトリケ○トプスノ急所ハ、尻尾の毛先の赤イ斑点デス。ソコガ核二ナッテイマス」


「さんきゅー」

「オ役ニタテテ何ヨリデス。」


大変便利だが他人には見せられないオーパーツ的なオーバースペックだな。


早速頭を撃ち抜く。


コイツは再生する時に、何秒かは動きが止まる。

しかも撃ち抜く度に再生に時間が掛かってるようだ。


各頭を10発程度撃ち抜く頃には再生も1分近くかかるようになってきた。

そろそろ良いかな?


最後に2つ撃ち抜いて、尻尾の核に狙いを定める。

「チェックメイト…。」


念の為、核を撃ち抜く弾は火の属性を持たせてある。

また安直なネーミングだが火炎弾(フレイムショット)と名付ける。


バーンと乾いた音の後に核が勢い良く燃える。

消えかけながらモンスターが語り出す。


「我をここまで簡単に手玉に取るとは。良かろう、この角を持っていくが良い。そなた達の言う討伐の証だ。」


「え?喋れるの?」


「我はこの迷宮に造られた存在。このくらいなら話せる。また魔力が充填されれば、時間が経てば我は復活する。」


「ここって何の為に作られたか分かる?」


「すまないが、それには我は答えられない。ただ言えるのは答えはもっと地下にある。それだけだ。」


「ふーん。まぁいいや。とりあえずこれはありがたく受け取るよ。」


「最後に…奥に地上に戻る魔法陣がある。それを使えば簡単に戻れる。」


やっぱあるんだ。地上帰還用。


ダブルトリケ○トプスが消えると奥にたしかに魔法陣が有る。淡く光っているのでどうやら魔力は生きてるようだ。使えるなら使っちゃえ。


ホークは魔法陣の上で魔力を通す。すると一緒で地上にあの鳥居もどきの所まで戻ってきた。


さて、フエゴの町まで帰りますか。


-1時間後-


そしてフエゴのギルドで職員に討伐の証に角を見せる

「お前なぁ、あれ程言ったのに下まで行ったのか?それもソロで75階までかよ?」


「はぁ、思ったよりも簡単だったので。最後は少し苦戦しましたけど。」


「簡単?まあ、今回は無事だったからいいが…。あんたみたいのが何人も命を落としているのが、この迷宮だ。くれぐれも無理はするな。んじゃウスアイアのギルドにはこの報告書を出してくれ。じゃあな。」

やれやれといった感じでB5サイズの紙を一枚巻いてよこした。


「はい。気をつけます。」

そういってギルド職員と別れ、約2時間掛けてウスアイアへ戻った、途中で馬車が通ったのでいくらか支払い乗り合いにしてもらった。


ウスアイアの入り口門は夜19時で一旦閉まる。

それ以降は門番に話しかけて銅貨1枚を払って街に入る。馬車に乗れたのでギリギリセーフだった。






















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ