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第1章
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クエスト2件目

翌日

朝食を済ませて、装備を確認する。銃のメンテナンス自体は魔力でオートモードでやってくれる。大丈夫そうだ。


クエストの前に街の武器・防具屋でナイフを買う。ナイフは討伐部分用だ。

どちらもちょうど良いサイズのが手に入った。


そして籠手をオーダーする。

デビッドさんの籠手は少し小さく銃が握りにくかったのだ。

トリガーを引きやすい様に指先には薄手の皮を使ってもらう。手甲の部分も薄く軽いシルバーにする。

なんだかんだ

オーダー品になるのでナイフと合わせて金貨3枚かかった。




因みにこの世界の貨幣価値だが…。


銅貨1枚=約100円

銀貨1枚=約1000円

金貨1枚=約10000円

白金貨1枚=約100000円

王金貨1枚=約1000000円


お酒がジョッキ一杯で銅貨1枚

ウスアイアでは、月に概ね金貨3枚で4人家族が生活出来るくらいなのだ。


生活費の心配は無さそうなので、装備につぎ込めそうだ。早めに装備を整えておきたい。


装備も新調してギルドへ向かう。


今日も受け付けにミーシャさんがいた。


「おはようございます、ホークさん。さっそく依頼受けますか?ちょうど良いクエストありますよ?」


「おはようございます。じゃそれをお願いしようかな?」


「かしこまりました〜。ではカードの提示を。」



―――対象ランクG以上―――――――――――


街道沿いの森に住むワイルドベアの討伐

討伐数 ワイルドベア5体以上。

報酬 5体につき金貨1枚


どうやらワイルドベアはたくさんいるらしい。

しかも最近、急に数が増えて大型化・凶暴化してきているので、一気に駆除する形になったようだ。


街道沿いの森林地帯の奥に推定200体はいるようだ。

ワイルドベアの毛皮は高値で取り引きされるので、昨日のように丸ごと持ってきた方が素材として買い取ってくれるとの事だ。

容量はほぼ無限だし、狩れるだけ狩ってくるか!


北の街に近い街道沿いの森に多くいるようだ、ウスアイアの近くにはそれほどいないらしい。


ウスアイアを出て約2時間、ここまでで27体片付けていた。あと3体で金貨6枚。すでに2ヶ月分の稼ぎだ。

軽く小腹が空いたので朝にアイシャさんに作ってもらった軽食をとる。

干し肉とパンだったが、干し肉の匂いに釣られて、ワイルドベアの集団が現れた。

その数5体。先ほどまでの氷の魔力弾ではなく爆発系の魔力を込める。幸いに素材の毛皮はたくさん手に入れたし

一気に片付けてしまいたかったからだ。


この世界の魔法体系がわからないので、イ◯ラをイメージして魔力を込める。

少々ダサい名前だが、爆烈弾(ボムショット)と命名した。

威力は半径約3メートルで。


弾を込めて、狙いを集団の真ん中のワイルドベアに定めトリガーを引く。


一気に大爆発が起き小さいキノコ雲が立ち込めた。


あ…マズイ。


煙が晴れると、辺り一面黒コゲで地面が少し抉れたしまった。当然ワイルドベアは消し炭になり「真っ黒の何か」に変わってしまった。

この爆烈弾(ボムショット)は森や平地ではやめておこう。火事どころの騒ぎではない。変に通報されたら説明が面倒くさい。


不正はないし、とりあえず討伐数にはカウントしてもらえるだろう。


往復4時間と戦闘の2時間で、計6時間のミニ遠征を終え、ウスアイアのギルドへ戻る。

腕時計は14時だけど、本当にあってる事やら。


カウンターのミーシャさんに精算と素材の買い取りをお願いする。

素材が今回も大量なったので、リーシャさんの所で飲んで待つ事にした。


「いらっしゃい!あれホークさん。今日も来てくれたの?何にする?」


「はい、またクエストの報酬待ちです。昨日と同じモノをお願いします。」


「はいよ〜。じゃカウンター席で待ってて、すぐ用意するから♬」


「ホークさん、お待たせしました。こちらが報酬の金貨6枚です。次にカードをお返しします。」


すると銅カードから銀色に変わってた、と言うことは?


「おめでとうございます。シルバーのEランクです。たった2回のクエストでシルバー昇格は驚異的です。もう一人前の冒険者ですね。」


「へぇ〜ホークさん、凄いな!じゃ、お祝いに今日の分は私の奢りにしておくよ。」


「いやいや、さすがにそれは良いですよ。ではこれ今日の飲み代」

そう言って多めに銅貨をテーブルに置いて足早にギルドを出た。


大通りに出るとタイミングよくルーシアがいた。


「おーい、ルーシア〜!」

するとこちらに気づいたようで手を振って応えてくれた。


「ギルドの帰りかい?」

「うん。終わって精算してきたよ。見て、シルバー昇格でEランクになったよ。」


「すごいな!私なんかシルバーに上がるのに 2年はかかったのに、銃の威力もあるがホークには冒険者の才能があるな。」


「ありがとうね、ルーシアは何してたの?」


「私か?私は父の代わりに洋裁職人の所にホークのアイデアを伝えに行ってたよ。なかなか好感触だったし、あちらもやる気が出てたよ。」


それは良かった。良い物を売れば金になる。金があればより多くの商品作れるように人や設備に投資が出来る。


「うまく軌道に乗るといいね。」

「そうだな。そうなればこの街の新しい特産品になる。北の街にも販売に行ければ、外貨が増えて街も潤う。」


昨日のマウリシオさんとの話では、ここウスアイアには、治めている領主はおらず商人たちの商工会が街の運営をある程度決めていた。

その中で最古参のエルダー商会は、代々この会議の中心的な役割を担い実質的な街の代表になっていた。


そして騎士団の代わりに自警団を作り、現在はルーシアを団長として若手の腕の立つ冒険者の中からスカウトしたり、有事の際にギルドへ応援を依頼していた。

幸いにルーシアが就任してから大きな出来事は無かった。



――翌日――



ホークはウスアイアの南10キロにあるフエゴという小さな港町に来ていた。

この町のタチマチ岬の先にある古代遺跡・通称「最果ての迷宮」に挑むために。


古びた遺跡が海に向かって作られており、その地下はとても広い空間になっている。遺跡が作られた年代や使用の目的・意図は全くの不明。何せ一切の記録がない。


海の中に続いている地下空間は遠く離れた西の大陸の何処かに繋がっているとも、この世界の1番深い所に繋がっているとも言われているが誰も出口・最深部にたどり着いた事が無い。


中には魔物が多くいるが、入り口は弱い魔物しかいない。おそらく奥に行けば行くほど強敵がいるのであろう。


ウスアイアギルドの報告書によると、現在は入り口より地下184階まで確認が取れている。地下184階は広い空間がありそこには翼の無い地龍が居て、ここで調査パーティが全滅している。


ギルドはこの地龍を門番(ゲートキーパー)と仮呼称して、安全の為、攻略は10階上の地下174階までと制限をかけている。


「旦那、ここからが最果ての迷宮だ。あの崩れた門の先に地下への入り口がある。中は地下75階まではギルドで灯りの管理をしている。

それより下にいくならランタンか魔法の『ライト』が必要だ。下に行っても空気は充分にあるから酸欠にはならないがあまり火の魔法を使うとガスが充満して頭がクラクラするから気をつけることだな。」


フエゴの町にいるギルド職員に簡単なレクチャーを受ける。


「はい、ここまでついて来てありがとうございました。あまり燃やし過ぎないように気をつけます。」


「まぁ、ソロで攻略なんざAランクでも地下50階までだろう。旦那のランクは?」


「はい、Eになったばかりです。インベントリの中に食糧はたっぷり持って来ましたよ。」


「E?悪い事はいわん、地下25階までにしとけ。」


「無理はしませんよ、まぁ力試しみたいなものなので。」


「3日経っても連絡無い場合はウスアイアのギルドに通報するからな、それまでにフエゴに戻ってこいよ。」


「はい。それでは行ってきます〜。」


そう言ってホークはトコトコと歩いて入り口に向かって歩き出した。


「大丈夫か…あいつ?まるで散歩にでも行くような、呑気なヤツだな。」


ーーー


「この遺跡の入り口のあの形ってどっかで…。あ、日本の鳥居に似てる。」

何となく神社っぽい作りだ。

もしかしたらこの世界に他に日本人が来てたのかもな。


さて、じゃ定番のダンジョン攻略にいきますか。










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