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第1章
2/9

2日目

登場人物


主人公 ブラックホーク


エルダー家 当主マウリシオ

娘 ルーシア

執事 セバスチャン




➖2日目の朝➖


強烈な筋肉痛でホークは目が覚めた。

身体中が痛くて中々起きられない。

転移してきた反動なのだろうか。


疑問は尽きないが、まぁ良しとしよう。

やっとの思いでベットから起き上がる


ホークに与えられたのは8畳程の部屋だった。ベットと簡易の机と本棚、そしてクローゼットのみのシンプルな部屋である。

当然テレビもないし、お風呂もシャワーもついていない。

しかし今はこれだけあれば十分だ。

幸いにベットの寝心地は良く、おかげで朝まで

爆睡だった。


どうやら昨日の格好のまま寝てしまったようだ。というよりこれ以外に服がない。替えの下着もない…。そもそもこの世界に下着が存在してくれているのだろうか?

確か…現在のブリーフの原型って1930年代だったか??


不安があるが、とりあえずこの世界の衣類を手に入れない事には始まらないようだ。


ガチャッとノブを回して部屋を出るとそこにはメイド服を着たお姉さんが立っていた。

いきなりだったので、ちょっとだけビクンとなった。

「おはようございます、ブラック・ホーク様。ご滞在中に身の回りのお世話をいたします。アイシャです。何でもお申し付け下さい。」


あ、そういえばセバスチャンさんが言ってたっけ?


「こちらこそ、ご迷惑をかけますがよろしくお願いがします。」

ホークは大きく頭を下げ挨拶をした。


するとアイシャは慌てて

「お顔を上げて下さい、私なんかにそこまで頭を下げなくても。随分と礼儀正しい方なんですね。」


「いやいや、お世話になるのはこっちですから。さっそくですが、着替えをしたいのですがあいにく私はこの服しかなくて…街に買いに行きたいのですがなにぶん初めての街だし記憶もないので一緒に買いに行ってくれませんか?」


「ルーシア様より、衣類を一式お渡しするようにとお預かりしております。とりあえずそちらに一度着替えてから買いに行かれても?」


さすがルーシア、用意してくれてたのね。あとでお礼を言おう。


「そうですよね、ではそれをお預かりして…。」

「はい、ではお部屋の中に失礼します。」


え?中に入ってくるの?


「ルーシア様より、もしかしたら着替え方も分からないかもしれないからと仰せつかったのでお手伝いいたします。まずはそのフードの付いたローブを脱いで…」


「大丈夫です!全然着替え出来ますから!アイシャさんは外で少し待ってて下さい。すぐ着替えますから!!」


はぁ、ホントに客人扱いか…。ありがたいけど大変だな。少しこの辺りの事を教えて頂いたら早めに出て行こうか。

用意されてた衣装は襟にヒラヒラが付いてて、教科書に出てくる有名な音楽家達が着ていそうなヤツだった。


たまらず下はデニムのままにした

大きなエリのジャケットにヒラヒラの付いたシャツに袖の切り返しも大きくできている。

サイズは少し大きいが着丈としては悪くないはずだ。


靴はブーツから革靴に変えた。靴のサイズも良さそうだ。何の革か分からないがツヤがあって柔らかく履きやすい靴だ。きっと良い品だな。


改めてドアを出るとアイシャさんに髪をとかしてもらい食事の間に案内された。


「おはよう!おーよく似合ってるな!その服は君にあげるから気にせず使ってくれ。さぁ朝ごはんにしよう。」


マウリシオさんが朝から豪快に肩を叩きながら横を通って行った。なんか昨日とキャラ違うな?

バシバシと結構痛いなおっさん苦笑


「ありがとうございます、しかしこんな高価な衣装を頂いても?」


「気にするな、そのサイズは儂は着れないし、それは死んだ息子の服だからどのみちお前に着てもらえると助かる。」


そうゆう事だったのか、余計に気にするわ。


「おはよう。お!兄上かと思ったぞ。よく似合っておる。良かったなホーク。」

さも当然と言う感じでルーシアが席の隣に着く。


出された料理はまたパンとスープと何かの焼いた肉だった。この世界の人はあまり食文化が進んでないのかな?


「そなたは今日は何をするのだ?」


「アイシャさんに街を案内してもらおうと思ってました。お金は少しあるので服を何着か買って

次の街に行く用意を…」


「急ぐ旅なのか?そうでなければ、何も気にせずココにしばらく居ればいいのに。なぁルーシア?」


「はい?そ、そうですね。ホーク、父上もああ言っておるし、ゆっくりしていけばよいだろう?」


何か気にいられた様子だな?

なにかしたかな?この格好とあの銃が珍しいのかな。

ペースをマウリシオさんに握られたままで

こうしてしばらくの間、エルダー家にお世話になるブラック・ホークとなる。


結局、買い物はアイシャさんとではなく、ルーシアと行く事になった。

懸念してた下着だが、これは普通に売っていた。白いステテコパンツだが…。さすがにボクサーパンツは無かった。

ついでに武器屋と防具屋も連れていってもらった。

この街と次の大きな街まで約100キロ離れているらしい。途中の平原にはそれなりに魔物も多いようで装備はまあまあな取り扱いだった。


「ここで買わなくとも、兄上が使っていた鎧や剣を使えば良いだろう?モノはココのよりずっと質がいいぞ?」

どうやらルーシアの兄は別の国で騎士をしていたが、3年前に謎の病で亡くなったらしい。


「背丈はほぼ同じだが、兄上の方がもう少し足が長かったの。兄上はカッコ良くとても足が長かったのだ。」

ルーシアからすると自慢の兄さんだったんだな。


「ホークもなかなか男前だぞ…。その…兄上に顔が似ておるし…」

「うん?ありがとうね。」最後が声が小さくて聞き取れなかったが

気を遣えるのも育ちが良い証拠だ。


エルダー家の屋敷に戻り、お兄さんの鎧を見てみる。


騎士らしいフルプレートの鎧だ。さすがに重そうで使えないな。


「他に何か鎧はある?例えば、軽装な鎧とか?」

「たしか、あったと思う…。少し待ってて…」


➖数分後➖


セバスチャンがもう1つの鎧を持ってきてくれた。

やっぱりあったハーフプレートの軽鎧が。


これなら動きやすい。さすがにサイズもピッタリだ。

「こっちを使わせてもらおうかな。」


「よく似合っておる。」

「よくお似合いでございます。」


元の世界では決して味わえない、悪くないものだ。


剣も太い騎士剣かと思いきや、やや細身の剣だった。軽かったので剣も大事に使わせていただく。


少しするとマウリシオさんが来て、とても褒めてくれた。ルーシアが諸用で外出するとの事だったので、マウリシオさんから亡くなった息子さんの事を聞けた。



デイビッド・エルダーさん享年23歳

死因は病死 原因は未だに不明

ブレノスアイレスというここから北に進んだ大きな街の騎士団に所属して、騎士道を重んじる将来も有望されてた若手騎士だったようだ。


ルーシアはこの兄の事が大好きだったようで、そのせいかなかなか結婚の話もないようだ。


「ちなみに、どんなお顔だったのですか?やはりマウリシオさんやルーシアに似てるんですか?」


「いや、デイビッドは母親に似ていて儂とは違い線の細い感じだったな。その母親もルーシアが10歳の時に病で亡くなってな。それ以来ルーシアはすっかりデビッドの事が好きになったのだろう。」


「そうでしたか…」

もしかしたら、母親とデビッドさんは遺伝的な病気だったのかもしれないな…。


「顔はよく似ている。亡くなった息子にな。」

ん?誰が誰に?


「えぇと、デビッドさんとお母様が似てたと言う事ですよね?」


「違う、デビッドとお前さんが似てるんだ。髪の色と瞳の色が違うくらいで。昨日初めて見た時には生まれ変わりかと思ったぞ。」


なるほどな。ルーシアもマウリシオさんもそれで…。


エルダー家の事情が少し分かったところで、ブラックホーク宛に届いた手紙をセバスチャンが持ってきてくれた。

マウリシオさんがウスアイアで暮らす為に色々と手配してくれたようで、さっそく街の住民証が届いた。

現住所はエルダー家になっており、保証人はマウリシオさんとなっていた。

これでエルダー家に住んでいるウスアイアの住民になったのだ。

これがあれば街の入り口で門番とゴタゴタする事が無くなる。


どこの世界でも住所不定無職は辛いモノだ。


ルーシアが帰ってきてから、明日の予定の話になった。

明日は街にあるギルドへ行き、念願の冒険者登録をする事になった。

これで明日には無職でも無くなる。


……………………………………………


ホークの装備


武器 スーパーブラックホーク

日本刀

銀のレイピア


防具 ハーフプレート(高級)

デニム

ワークブーツ→革靴(高級)


アクセサリー なし

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