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(仮)  作者: (仮)
第1章
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始まり

目を開けると、白い服を着て杖をたおじいちゃんがいた。

ゲームでよく見るような先が丸くなった例のアレだ。


「やぁ、目が覚めたかな。初めまして〇〇君」


最後の〇〇がうまく聞こえなかったが、 挨拶されたようだ。


「はぁ、初めまして…。貴方は…?というよりココはドコですか?」


「まぁまぁ、順に話そう。まずは、儂は世界の神々を統べる者だ。そしてココは儂のプライベートな空間だ。誰からも干渉されない亜空間ってやつだな。」


というと…ギリシャ神話に出てくるようなゼ●ス的な神さま?


「あんなのは下級神に1人に過ぎない。様々な世界があるんじゃが、その1世界の神じゃな。君に分かりやすく言うとたくさんある会社の1社長くらいだな。

まぁ社長ならたくさんいるか、大企業には会長もいるしな


「まぁ、そう言う事じゃ。モノ分かりが良くて助かる。本来ならば下級神といえども人間が向かい合って話す事はない。今回は君に謝らねばならなくてこうして儂が自ら参ったのだ。実はのぉ…」



➖10分後➖

要約すると、神様の手違いで間違って死んでしまったらしい。

どうやらその間違えた神がこのじいちゃんのひ孫らしく、神の見習い実習中の出来事だったみたい。


「神の決まりに同じ世界に生き返すのは違反してしまう。申し訳ないのだか、君には別の世界でやり直してもらいたい。もちろん多少の便宜を図るぞ。」


…それで今回の事を揉み消してくれと?


「頭のキレる子で助かる。なんとかこのまま穏便に転移してもらえんかの?」


「じゃ…いくつかお願いがあります。」



➖1時間後➖

「それじゃ、元気で達者にな。万が一の場合はその電話に連絡するといい。ただし非常時のみだぞ?」

「分かりました。では、その世界に飛ばして下さい。」

そうすると身体が透けてきてキラキラ輝き出して一気に消えた。そして意識も途切れた。



次に目が覚めると地面があった。草木もある。空気もある、そして空には太陽が2つある!


「転移が終わったんだな。ここが新しい世界か…。どれどれさっそく使えるかやって見るか。」


「マップ」


目の前に現れた半透明のスクリーンからアイコンをタップして起動すると目の前に大きな地図が現れた。

見たこともない地形だ。ユーラシア大陸のロシアの辺りにアメリカ大陸を足したような


アルファベットのLをにしたような感じだ。

その周りに大きな島がある。


現在地はと…。


大陸の南東にいるようだ。

最寄りの街は…ここから約1キロ・徒歩で15分ってとこか。

そこまで遠くないな。


歩く前に装備やステータスを見ておくか。

まずは武器だけど、メインは剣と魔法の世界に俺は銃を選んだ。

スタームルガー社製のスーパーブラックホークって型に似せた、銃身が少し長めのクラシックな銃だ。


名前が長いので略してSBHにしておく。

世界神の話では、この世界には銃はないはずだ。

弾は魔法で作れるように改造をお願いしてある。

そして刃渡り約60センチの片刃で少し反り返りがある剣、そう日本刀だ。

これが神に頼んだいくつかのお願いの1つ。


タブレットサイズの半透明のスクリーンもその1つ。

元の世界とは電話は繋がらないが、Googl〇検索は出来るようにしてもらった。

これで何か作りたい時に材料や方法は分かる。

あとは同じ材料がこの世界にあって作れるかどうかは置いておくが。


最後の1つはステータス面の強化。

魔法の全属性使用と即死耐性


結果、この世界に無い武器と知識を持ち、魔法は全部使える素質を持ち・即死は効かない。

俗に言う

「強くてニューゲーム状態」

ただし、レベル的なモノは1からで。


現状は各魔法の1番最低クラスだけ使用可能となっている。

防具は無い。


今はさっき拾ったボロボロなマントに元々着てたパーカーとデニムとワークブーツだけた。



色々と世界神は約束を守ってくれたようだ。

餞別にこの世界の貨幣、金貨を10枚、革の小袋に入れて渡してくれた。貨幣価値は分からないが、金貨ならそれなりに価値があるのだろう。


一通り身の回りを調べて街に向かった。


歩くこと15分、背丈を大幅に越える約5メートルの壁が見えてきた。街の城壁だ。


街の名前は…ウスアイアでいいのだろうか?

街の入り口には大きな門があり、槍を持った衛兵がいた。装備は中世ヨーロッパ十字軍のような鎖帷子だ。

門番だろう。


「そこの変わった服装のお前!そんな身軽な格好で何処からきた?」

マズイ、明らかに怪しまれてる…。


言葉は世界神が通じるようにしてくれても、身分は通じるようにしてくれてはいない。

これは困った。


「怪しいな、どうして何も言わん?」


困ったぞ、適当な事を言ってもハッタリとバレてしまうし。他に地名は分からんし…。


何も言れずにいると後ろから馬の蹄の音がする。すると大きな馬車が一台門の前で停まった。

「どうした?騒々しぞ??」

窓から凛とした女性の声がする。


「はっ、エルダー様。この者変わった出で立ちと何も話さず立っているので…。」

これはもしかしてチャンスか?

ここは素直にに話してみるか。


「実は記憶がなく、目が覚めたら少し離れた草原にいました。とりあえず街がないかと歩いてきましたが、自分の身分を証明できるモノがなく困っていました。


「なんだちゃんと話せるのか。それに困っている様子。よし我が屋敷に来い。まずは話を聞こう。乗りなさい。」


「え?エルダー様よろしいのですか?何処の馬の骨とも分からない者を街に入れて?」


「構わん、この者の身は我がエルダー家が保護する。余計な不安を与える事になる。この事は他言無用だ。分かったな?」


➖それから➖


エルダーさんの馬車に乗せてもらい門をくぐり、街の中に入った。街並みは石畳みの道路とレンガ造りの建物。まさにテンプレ・中世ヨーロッパだな。


街の中心部から少し丘にある大きな塀を越えて屋敷の中に馬車が入る。

エルダーさんはこの街の有力者なんだろう。

3階建はある大きな屋敷だ。


エルダーさんは白人の様な金髪&青い瞳年齢は20代後半くらいなのか。美人であるがやや強めな目力だ。

ドSキャラの〇緒を金髪にしたような感じだな。


「ようこそエルダー家に、君を歓迎する。」

「あ、ありがとうございます。私は…。」

あれ?名前が思い出せないな。


「よい、思い出せないのだろう?しかし名前がないのも困ったな。」そう言ってくれているがエルダーさんも困っているので


しかたない、この銃の名前を頂こう。

「ブラック・ホークと呼んでください。」


「うん?ブラック・ホークとな?

不思議な名前だが、あい分かった。私はルーシア・エルダー。このエルダー家の次期当主だ。ルーシアと呼んでくれ。まずは中に入ろう、ホークも疲れているだろう。」


馬車を降り、屋敷の入り口には黒服の老人が立っていた。

「じぃ、今戻った。客人を連れてきた、ブラック・ホーク殿だ。事情がありしばらく我が家で保護する事になった。どこか空いてる部屋を1つ寝泊まり出来るように整えてくれ。」


「畏まりました、ブラック・ホーク殿ですな。お初にお目にかかります。エルダー家執事のセバスチャンでございます。よろしくお願いがいたします。後ほどメイドを一名付けますので何なりとお申し付けください。それでは。」


笑顔だが目が笑っていない。執事のでセバスチャンってベタな名前だな。


「あの、ルーシアさん?セバスチャンさんは只の執事じゃないですよね?おそらく相当できる。」


ルーシアは意外そうに

「ほぅ、今のあれだけでそこまで分かるか?なかなか鋭いの。じぃはこの家の何でも屋だよ。」


あれは、何でも屋っていうより御庭番だな…余計な事はしない方が身の為だ。


応接室に通されてルーシアが部屋から出て5分くらい経つ。入り口にはセバスチャンが立っている。落ち着かないほど広い応接室だ。ゆうに20畳くらいある。テレビで見る大御所芸能人のリビングのようだ。

しかし、華美な装飾の物が少なく調度品も品の良さが伺える。


もう少し経つと、入り口が開き、簡素なドレスに着替えたルーシアと壮年の男性が現れた。

顎髭をたくわえたナイスミドルである。


「待たせたの、ブラック・ホーク殿。ルーシアの父で当主のマウリシオだ。君の事は娘から少しだけ聞いた。何やら困っている様子、しばらく我が家でゆっくりしていきなさい。」


「父上もあぁいっておる。ゆっくりしていけホーク。」


「ありがとうございます、しかし記憶がない私がここにいるとご迷惑では?」


「娘が興味を持った男性など、久しぶりだからな。娘の話し相手になってくれれば助かる。」


そうなのか?


「父上!口が過ぎます!ホーク、気にするな今のは忘れろ。」


「まぁ、それはそれとして…君の服装とその腰にあるのは何かの武器なのかそれとも魔道具なのか?」


魔道具?なんだそれ??


この人達はとりあえず信用できそうだし、分かってる事を話して見るか、もちろん神や転生の事は隠すが。


「まずは服装ですが、これはパーカーとデニムといい私がいた国では標準的なカジュアルな服装です。」


さっそくマウリシオさんが質問する。

「パーカーとデニムとカジュアル?聞いたことが無い言葉だ。君は西方の生まれか?」


おおよそ極東の島国がテンプレだろうが、この世界にこの街より東は無いようだ。


「はっきり申せませんが島国であります。」


今度はルーシアが納得したのか

「なるほど、やはり西方の海の島々のどこかなのかもしれんな。まだ未発見の島も多いと聞く。中にはきっと我々と違う文化の影響があるのだろう。髪も瞳も我々と全く違うようだしな。それに綺麗な黒髪と黒い瞳だ。」


「そして腰のこれは銃といいます。おそらくこの辺りには無い武器だと思います。」


「銃とな?確かに見たことも無い武器のようだ。それはどうやって使うモノなのだ?」


ここで使うには危険なので、中庭に出てもらった


「この筒の中に弾と呼ぶ鉄の塊を込めて打ち出します。まずはやってみせます。あの鎧を見ていて下さい。」


デモンストレーション用に5メートル先に鎧を一着用意してもらった。的にする為に。


「耳を手で塞いで衝撃音に備えて下さい。いきます。」


右手で構えて弾を込める。 乾いた音がバーンとなり、次の瞬間、鎧が粉々になった。

あ…やり過ぎたな。


マウリシオもルーシアも何が起こったか分からなかった。あの鉄の筒からバーンと音が聞こえたと思ったら鎧か粉々になっていた。


マウリシオがあっけに取られながらも

「君はかなり高位の爆烈系の魔法の使い手なのかい?」と質問してきた。


銃を見た事が無ければ、そう捉えるのが当たり前か。ましてや魔法が当たり前にある世界だし。


「武器の構造は魔法とは違うのですが、打ち出す弾は一部魔法を使ってはいます。」


「よく分からんが、魔法よりも恐ろしく速い速度で対象のモノを攻撃出来る事と言うことか…。」


「まぁそのように捉えてもらえれば宜しいかと」


こうして銃のデモンストレーションも終わり、簡単な説明をして、そのまま晩御飯となった。


大きな屋敷でさぞかし豪華な食事が出るのかと思ったが、硬いパンとコーンポタージュの薄いスープとこれまた硬い何かの肉だった。

お酒はワインの様な飲み物で美味しかった。

マウリシオからの質問が尽きなかったので、ルーシアが切り上げてくれた。

部屋に通された時には今日一日の疲労がドッと出てあっという間にベットの中で爆睡だった。


こうして転生一日目が終わった。














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