~世界の構造~
丘には、カルストと呼ばれる地形が出来ていた。
周りは草花が生い茂り、綺麗で豊な自然を作り出している。
そして丘の上には一つの館があり、少し離れた所に街が見えた。
ジン達は丘の麓まで来ていた。ここまで来るのに一時間位掛かった。マリナが住んでいる館…安全圏に近づいて来たのだ。
しかし、ジンはかなり警戒していた。
ここは街の中ではなく、街の外。つまり、人間の住む世界ではない場所に館が建っているのだ。
「おい、何で街の外に館がある」
「さあ?私が物心ついたときにはここにいたから」
ジンはここまで来るまでに、敵対した者達を思い出す。
「…魔獣、だったか?魔獣に襲われはしないのか?」
「理由は分からないけど、この館には何故か魔獣とかは近寄らないの」
ジンは何故、魔獣達が近寄らないのか察していた。
「あの館に住んでるのはお前だけか?」
「そうよ…あ、でも、もう一人昨日…」
「……」
「私が10年前に館で見つけて、研究してた謎の手が昨日、字を書いたの。『血』って書かれててね、それで、蘇生させる事が出来るかもしれないからアンデット街で血を採取してたの。あそこなら取り放題だしね。」
「……」
マリナの話を聞く限りだと、館に住んでいるのは彼女と死体…ゾンビだとジンは判断する。感知した魂の状態が街のゾンビと似ていたため。
しかし、その気配は強大過ぎるものだった。
「気配からして、ゾンビに近い者だが大丈夫なのか?」
「大丈夫」
「…ゾンビから逃げてなかったか?」
「ち、違う!魔女は魔法書や杖がなきゃ魔法を使えないの。そ・の・代・わ・り!そこら辺の奴が使う魔法より強力なんだから。だから、蘇生させる前に強力な結界を張るから大丈夫って言ったの」
ジンは安心は出来ないが、ここまで来た以上何も目的を果たさないのは嫌だったため、仕方なく館に入る事にした。
ジンは館の通路を歩きながら疑問に思っていた事を質問する。
「そういえば、どうしてゾンビ?なんて蘇生させようとする」
「それは……あんたはこの世界での事を分かったら自給自足しなきゃいけないんでしょ。助けてくれたのは感謝するけど、そこまで私に干渉しないで今後の事を考えたら」
「……」
最もな事を言われ少しの間黙っていると1つの部屋に着いた。
「ここで貴方が最低限知っておいた方が良い事を説明するわ」
「頼む」
ここはスベル・カルスト平野。そして、スベル・カルスト平野から下に見える街がスベル街。スベル街は大きな街だが他にも、ラルテルノ街、ルベンツ街という街があるらしい。
スベル街は『第1の街』、ラルテルノ街は『第2の街』、ルベンツ街は『第3の街』と呼ばれている。最初はスベル街だけだったらしいが、食糧不足、資源不足が問題となり、冒険者という職を作る事により外から資源などを取り入れて何とかしていた。
そして、冒険者が転々とキャンプを作る事により、そこが居住区となっていったそうだ。冒険者を護衛とする事により街の外をある程度安全に移動できるようになったらしいから、施設も整っていったらしい。
しかし、街作りが全て上手くいった訳ではない。ジンがゾンビと対自した街は、街作りの途中で壊滅した街だそうだ。壊滅してしまった街は通称“アンデッド街”と呼ばれている。理由は、死人を火葬しないと魂が怨念などにより成仏できず、ゾンビへとなってしまうからだ。
冒険者という職は主に街の外に関する事をしているらしい。
外の世界には希少な鉱石などもあるため依頼などとは関係なくトレジャーハンティングに勤しむ者もいるそうだ。
しかし、第1、第2、第3と外の世界の生物は段々強くなっていくらしい。
だから、冒険者にはランクという者が存在し、その強さにみあった者達がそれぞれの街で活動しているそうだ。
「…っいう事。分かった?」
「ああ」
ジンは今の話を理解した。しかし…ルーインは言っていた、『記憶を集めろ』と。
「マリナ、記憶の集め方、知らないか?」
「は?記憶の集め方?どういう意味?」
「いや、分からないならいい」
そして、他に得られる情報は無いと判断し、ジンは最後の手掛かりに迫った。
「マリナ、俺に、謎の手の蘇生に立ち会わせてくれ」




