入学式日の早朝
神宮寺家に引き取られて3年がたった。
朝の5時、俺は不知火家に住んでいた時からやっている朝の稽古を始めようとしていた。
「相変わらず早いな~雅樹は」
今声をかけてきたのは、俺を引き取ってくれた神宮寺咲である。
「おはようございます。母さん」
「おはよう。毎朝毎朝よく頑張るね~」
「不知火にいた時からの日課ですから、母さんこそこんな時間に起きてるなんて珍しいですね?」
「お前に話しておきたいことがあるからな。」
「話しておきたいことですか?」
「そうだ。お前には神宮寺魔法学園に通ってもらうことになる」
「知ってます」
「そこには雅樹のいた不知火家などの名家の奴らも通うことになった」
俺は別に驚くことはなかった。まぁ~だいたい予想はしてたけどね名家の連中が神宮寺魔法学園という名門に来ないわけがないだろうと思っていたからだ。
「予想はしてました。」
「そうか。ならいい」
「……」
「雅樹、久しぶりに稽古を」「結構です。」
「何故だ!?」
「母さんは手加減というもの知らないからです。」
母さんは手加減を知らない、そのせいで俺は何度死にかけたか分からない
「当たり前だ、本気ださなければ私が死ぬ。」
「母さんが死なないと思えるのは俺だけだろうか?」
「それに、お前はせっかく魔法が使えるようになったのに使わないから死にかけるんだろ?」
母さんの言うとおり俺は3年間の間に魔法が使えるようになった。しかし、その時俺は自分の魔力を制御しきれず大爆発をおこしかけた。それ以来俺は自分の力に恐怖を抱いた。だから魔法を使わない。あと俺の魔法は少し特殊だからである。特殊と言っても普通に皆と同じように使える。でも……魔法の威力が桁違いで他の人より遥かに高いのである。だからあまり使いたくないのである。
「俺は自分の力が恐いから使わないんです。」
「まぁ~あの時死にかけたからな、でも少しずつ克服していけ、使えるのに使わないのはただのバカだぞ?」
「わかっています。だから精神統一の練習なども混ぜています。」
「不知火の奴らに会ったらどうする?」
「どうもしません。あいつらは他人ですから」
「まぁ~雅樹なら体術だけでも勝てるだろ。それに雅樹が魔法使うことがあればきっと奴らは後悔するだろうな、なんたって最凶の化け物を敵にまわすことになるからな。」
「酷い言われようですね。」
「私でも勝てないかもな」
「ご冗談を」
お互いに笑いあった。しかし母の言葉でそれも崩れさった。
「あと、言うの忘れてたんだけど……入学式今日だわ……すまん」
「それを早く言ってくださいよ!!あなたはいつもいつも」 「だから、ごめんってば早く支度しなくちゃ遅れちゃうよ?」
「はぁ~誰のせいだと思っているんですか。それにまだ支度するには早いですよ」
「あ!そっかまだ5時ちょっと過ぎたところだもんね。じゃ稽古頑張って!私は寝るから~」
「はいはい」
母さんはあくびをしながら屋敷に戻っていった。
はぁ~今日も騒がしい1日になりそうだなー