出合い
薄暗いゴミの中1人の少年が呟いた
「俺は何故生きているのだろう」
魔法が使える世界それが今の地球である。
魔法の世界は全知全能の神ゼウスが作ったと言われている。
今この世界には六つの魔法が存在する。その中でも
火に特化した不知火家
水に特化した水流園家
風に特化した風魔家
土に特化した土門家
闇に特化した闇雲家
光に特化した光雲家
この六つの家がここ数十年頭角を表している家である。
とまぁ~説明はこんなもんにしといて
俺の名前は不知火雅樹、お察しの通り火に特化した家不知火家の長男である。
しかし、俺は魔法が使えない…何故かって?理由は誰にも分からない。いろんな人が俺を調べてくれたけど誰にも分からなかった。
魔法の名家に生まれて魔法が使えないなんて笑っちゃうだろ?そして父や母、姉や弟周りの皆が俺を『落ちこぼれ』と言ったよ。
勿論俺も努力したぜ魔法が使えないなら体術をと思い暇な時間は体術にすべてあてたよ。その結果、体術だけなら俺は誰にも負けないくらい強くなったと自負している。
でも、父は魔法が使えない俺を必要とはしていなかった。いや、父というのは正しくない正確には不知火家が俺を必要としていなかったのだ。物心つくころには俺の存在は空気に等しいものだった。そして、中学に上がる頃俺は家を追い出された。
話は冒頭部分に戻って
俺が家を追い出されて何日がたったのだろうか?
薄暗い周りがゴミだらけの生活にも慣れてきた頃コツコツと足音が響き渡ってきた。
いったい誰だろう?と思い閉じていた目を開けるとそこにはとてもきれいな……幼少?いやいや何故こんな所に幼少がいるんだ?これでランドセルしてたら完璧小学生なんだけど!
「お前今ものすごい失礼なことを考えていないか?」
何故分かるんだよ!あれか!そんな魔法でもあるのか!
「別に考えてないよ、てかあんた誰?」
「ん?私か?私の名は神宮寺 咲だ!」
神宮寺?どこかで聞いたことがあるような?
「俺はしら、雅樹だ。」
「不知火とは名のらんのか?」
「何故俺が不知火だとわかる?」
「まずお前の魔力を感じてこの場所がわかった。そして、もう一つがお前の髪の色だ。不知火家は代々髪の色が赤だからな。」
今この幼少何て言った?魔力を感じただとそんなことできるやついるのか?そもそも俺は魔法が使えない、つまり俺の魔力は無いに等しいはずだ。
「魔力を感じたと言ったな?そんなこと出来るのか?」
「経験を積めば魔法が使えないお前も感じることができるよ」
「魔法が使えないと知ってて俺に会いに来たのか?」
「お前やお前の家族たちは知らないだろうが、お前は普通では考えられないほどの魔力を有しているだ。」
「嘘だ!じゃあ何で俺は魔法が使えない!」
「それは、今は分からない」
「今は?」
「お前私の家に来い!」
「は?急になんだよ?お前が俺を引き取るメリットがあるか?」
「メリット?そうだな~お前は魔力が高い、もしお前が魔法を使えるようになったとき、お前が私の味方でいれば、これ以上頼もしい味方はいないからな。あとは個人的にお前に興味があるからだ!お前が魔法を使えるようになり成長していく姿を見てみたい!」
「本当に魔法が使えるようになるのか?」
「それはお前次第だろうな、でも私はお前のためだったら、出来る限りのことはしよう!だから私の家に来い!」
正直言って俺は迷っていた。この幼少いや神宮寺咲という女についていって大丈夫なのかどうか。
「あ!、そう言えば気になっていることがあるんだが、神宮寺という名前をどこかで聞いたことがあるような気がするんだけど?」
「あ~それは、きっと私が神宮寺魔法学園の理事長をやっているからではないか?」
…………マジかよ
神宮寺魔法学園って言えば世界でも最高峰の魔術師育成が行われている所じゃねえか!
その証拠に日本や世界で活躍してる魔術師のほとんどが神宮寺魔法学園を卒業している。
そんな所になおさら俺みたいな落ちこぼれが引き取られていいのか?
でも…もしかしたら俺も魔法が使えるようになるかもしれない、こんなゴミだらけの所で一生をおえるより少ない可能性にかけてみる方がいいかもしれないな。
「宜しくお願いします。」と俺は深く頭を下げて言った。
「そこまでかしこまらなくするな、お前は今日から神宮寺雅樹だ。」
そして彼が後に『最凶の魔術師』と呼ばれるのはまだ先のことである。