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環状の理  作者: 絵之守空
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1、人を殺すということ--0

 今度こそまっとうに生きようと固く決意した。


 ところが。


 今度こそまっとうに生きられないと強く思考した。


 というのも、目の前が真っ赤な血だまりであるが故である。右手にはこの状況を作り出した元凶が存在しているのだが、自分が握っている感覚はない。要は目が悪い人間にとっての眼鏡のようなもの、と言ったらいいだろうか。

 普通の人間は何かしらを"殺す"ことに強い罪悪感を抱くらしい。もちろんスクラップになることが決まっているジャンクなんかは別だ。しかし僕にはそういう思考が欠けていた。ぬいぐるみ、ヒーローのソフビ人形、ミニカー。小さいころから様々なものを殺してきた。いや、ものに対しては"壊す"という表現が相応しいのかもしれないが、僕にとっては大差ない。年齢が上がるにしたがって動くものにも興味を持ち始め、対象は動物へと。“壊す”から“殺す”へと変わっていった。そしてその現在地として、人を“殺す”まで行き着いた。ただ、いまだに僕は、“壊す”と“殺す”の違いが判らないでいる。


 

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