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中二病の魔法少女ゾンビ ~心はアラサー、戸籍はアラフォー、そして身体はロリゾンビ~  作者: 禍成 黒いの
中二病の魔法少女ゾンビ でゅお

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第49話 雑な対応と飛ぶ話題

 「あー!泣いた泣いた、5年分は泣いたわー」

 しばらくあのまま泣き続けたザマさんはスッキリした表情で顔を上げました。

 でも化粧崩れが大変な事になってるので、後で直して来たほうが良いと思います。

 「5年分ですか、10年じゃないんですね?」

 「はー?半分は献身的に戦って散っていった魔法少女達の物なの。うぬぼれんなしスネ希のくせに」

 なるほど確かに、今まで戦い続けてきた魔法少女の方々を考えれば私で半分はむしろ貰い過ぎな気がしますね。


 「それはそうとザマさん、顔面酷いことになってるんでお化粧どうにかしたほうがいいですよ?」

 「……うん、ちょっと顔作り直してくるからそこで大人しくしてなさいな。あんたも積もる話があるんでしょう?」

 そう言って化粧直しに行くザマさん。

 ……困ったことに、私の方に積もる話なんて無いんですよねぇ。


 勝手知ったる親友との仲なので、持ってきたかるかんは先に開封して頂いておきます。

 大丈夫大丈夫、この程度のシツレイはチャメシインシデントなのでお互い気にしません。……気にしませんよね?10年前は気にしてませんでしたよね?

 「あ、飲み物も欲しいですね。冷蔵庫とか置いてないんでしょうか?」

 まあ、執務室に冷蔵庫とかあるはずが……ありました。なんか小型の、ビジネスホテルの個室とかにあるサイズのが部屋の片隅にひっそりと。

 ザマさんはかるかんと言ったら牛乳を合わせる派ですが、私は普通に緑茶が飲みたいですね。お茶ぐらいはあるでしょうと気軽に扉を開けます。

 ……そっと扉を閉めます。

 ぎっしりと詰まった緑と黒のカラーのエナジードリンクは見なかったことにしましょう。


 「おまたせー。飲み物持ってきたから一緒にかるかん食べましょ。アンタはお茶でいいのよねー?ってもう食べてるし」

 はい、座り心地の良いザマさんの椅子にふんぞり返ってもぐもぐしております。

 「ふぉふぁふぇりふぁふぁい」

 「口の中に物入れたまま喋らないの!ほら、こっち、応接室で食べて!書類汚したら大変でしょうが!」

 「ふぁーい」

 お茶会の会場は応接室でということになりました。

 

 「で、あんたの10年間を聞かせなさいよ。拉致されて実験されて、苦労したんでしょ?」

 さて、どう答えたもでしょう。まあ、正直に話すのが一番ですね、誤魔化してもどうせバレる間柄ですし。

 「えーっと、10年間ですが……。大体拉致されて三日後ぐらい?で麻酔打たれて手術室っぽい所?に運ばれてそこから10年全く記憶がないです!

 多分その日に死にかけて後は冷凍されて放置って感じだったんじゃないでしょうか?」

 冷静に考えるとめっちゃ雑な扱いされてますね。仮にも日本から本国まで拉致して引っ張ってきた大事な実験材料じゃなかったんですかね?


 「普通さ、それはすごく酷い体験というかそれで人生終わっちゃう話なんだけど……。どうせスネ希の事だから『そっちが苦労したのに特に何事もなく死体で居て申し訳ないー』みたいなこと考えてるんじゃない?あんた、自分の不運不幸を極端に矮小化して考えるの悪いところだからね?」

 そうなんでしょうか?結局ゾンビ経由ですが生き返れるわけですし、なんか身体も若返っちゃってますしなんか不幸とかそういう気分にならないんですよね。

 「あのね?普通は外国の工作員に拉致されて殺された時点でコレ以上ないレベルの不幸なの。生き返るチャンスを貰ったって言っても、生き返るまでに何度命がけの戦いをする必要があるか冷静に考えてみなさいよ。それはマイナスになった運勢の埋め合わせで、別に何もプラスになってないんだから!」

 「でもですね?」

 「でももへったくれもないの!」

 

 むぅ、ザマさん相変わらず厳しいです。

 「まあでも、魔女セヴンスの正体があんたとわかって色々問題が片付きそうでよかったわー」

 まあ、身元調査とか色々必要だったでしょうからねぇ。

 「教師の数が足りなくて魔女セヴンスの義務教育をどうしようか悩みに悩んでたのよねー」

 そこです!?

 「魔女セヴンスが10年前に拉致された誰かだってのはわかってたから、そうなると魔法少女の覚醒年齢から考えて、日本の義務教育を受けてないって事になるでしょう?

 受け答えは普通だって言うから実験施設の中で工作員として使うために教育を施したのかとか色々推論出してたら、あんたが外見詐欺してただけってのがわかって急に気が楽になったのよねー」

 肩の荷が下りたわーと、かるかんまんじゅうを頬張るザマさん。正体不明の魔女という存在は各所に結構なご迷惑をかけていたようです。

 

 「んで、水流崎さんから聞いてると思うけど、これからあんた本部の待機室に入っていいから。海外派遣組の2人と仲良くしといてね。特に、アメリカから来る子はなんか、あっちで爪弾きにされてたみたいだから気にしといてあげて。逆にルーシャの子は警戒する事、あ、もしくは逆に籠絡しといて。あんた得意でしょ?」

 まさかのハニトラ要員!?


 「いや、真面目な話さー、高校生に手ぇ出しちゃってどうすんのよ。年齢差考えなー?犯罪よ犯罪」

 そこで卑猥なジェスチャーするのやめましょう。というか、抜き差しする棒は無いので女性同士だとその手の動きおかしくなりません?

 「いやだって、理珠さんかわいいんだからしょうがないじゃないですか。清いお付き合いですよ?犯罪扱いは酷くないですか?」

 「清いの?ほんとに?」

 「……まだ、ギリギリ清いです」

 いやだって、理珠さんアレは確実に私が我慢できなくなって手を出すのを待ち構えてますよ!その後間違いなく責任取って下さいって言われるんですよ!?

 というか、その流れがやりたいがために微妙に毎晩あれこれ仕掛けてきてる気がしてきました。

 いや、でも最終的には責任取る気なんですし別に手を出しちゃっても良い気が……。


 「むしろザマさんの方はどうなんです?結婚とかしないんですか?」

 思考が不味い方向に進みそうな気がしたので話題を変えましょう。

 「あー、無理無理。婚約まで行ったり同棲まで行ったりはしたけど他人と一緒に暮らすの無理だわ私。もう歳も歳だし、お一人様で暮らすことにした」

 ザマさん、所定の位置に所定の物が置いてないとストレス溜まるって言ってましたもんね、他人が自分のものを動かせる環境が合わなかったのでしょう。

 「良いの、魔生対ここの魔法少女達が私の娘たちなの。だから絶対守るの。アンタも協力しなさいよ?」

 

 私の身体の事、魔物の事、ザマさんの仕事の事、魔法少女達の事。

 その後、いい加減に仕事をしろと職員の方が呼びに来るまで私達はコロコロと話題の変わる会話を止めること無く続けていました。

 なんだか、数カ月ぶりに「日常」を感じた気がしました。


 え?理珠さんとの生活?

 あんな美少女との親密な生活とか、非日常に決まってるじゃないですか!



☆★☆★☆★☆


信頼寄せられる友ならば生涯に一人二人出会えりゃ幸せって

歌の歌詞に有りましたよね。

そんな親友との会話って、辞め時が分からなくて延々と続いちゃいますよねという話

カッコつけなくて良い間柄だと、セヴンスさんが自由すぎてアレです。


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