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空をめぐる光のものがたり  作者: あいの あお


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5/10

5.


 騎士が目を閉じ天を仰いだその時です。


 ぎぃ、と音を立てて宮殿の扉が開かれました。

 扉が開くと黄金の光があふれだしました。

 美しい黄金の髪の、美しい黄金の瞳の女王が宮殿から出てきたのです。


「女王様だ!!」


 人々は喜びました。


「女王様だ!!」


 人々は涙を流しました。


「妹姫が倒れたからだ!」


 人々は喜びました。


「妹姫が倒れたからだ!」


 人々は笑いました。


 けれど女王は喜びません。

 けれど女王は笑いません。


 騎士の腕の中で目を閉じる妹姫を見て、女王は涙を流しました。


「わたくしの可愛い妹。わたくしの優しい妹。あなただけは分かっていたのね、わたくしがもう耐えられないことを。あなただけは気が付いていたのね、わたくしがもう限界だったことを」


 人々は涙を流す女王を見て驚きました。

 人々は涙を流す騎士を見て驚きました。


「ごめんなさい、わたくしの愛しい妹。わたくしがいなければあなたは動けない。わたくしがいなければあなたは生きられない。それなのに、あなたはわたくしを眠らせてくれたのね。誰もがわたくしに動くことを望んだのに、あなただけは、わたくしが休むことを望んでくれたのね」


 人々は倒れた妹姫を見て驚きました。

 人々は倒れた妹姫を見ていられず目を逸らしました。


 人々は今、やっと知りました。


 妹姫は人々が頼る女王をただひとり心配していたのです。

 妹姫は人々を守る女王をただひとり守っていたのです。

 妹姫は人々の中でただひとり、自分の力では動けなかったのです。


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