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空をめぐる光のものがたり  作者: あいの あお


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1/3

1.


 遠い遠い昔のこと。

 とても綺麗な宮殿に、とても美しい女王が住んでいました。


 女王はとても賢くて、とても優しい人でした。


 女王は人々の話をいつも笑顔で聞いてくれました。

 人々の力になろうといつでも手を差し伸べてくれました。


 きらきら流れる長い髪は黄金の色。

 優しく笑う瞳も黄金の色。


 優しく美しい女王を、誰もがみんな大好きでした。

 きらきらあたたかい女王を、誰もがみんな大好きでした。


 女王にはひとりの妹がいました。


 にこにこ笑う優しい女王とは違い、妹姫はあまり笑いませんでした。

 妹姫はひどいこともしませんが、人々に手を差し伸べることもしませんでした。


 女王とは違い、妹姫は冷たく透きとおるような銀色の髪をしていました。

 女王とは違い、妹姫は氷のように凍えるような銀の瞳を持っていました。


 誰にも笑わない妹姫を、誰もがみんな不気味に思いました。

 氷のように冷たく静かな妹姫を、誰もがみんな不気味に思いました。


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