親族会議があるので、みんなの意見を聞きます。
親族会議は開かれた。
この場にいるのは
第一婦人シンシア、長女フィーネ、クラリア家当主ジール(シンシアの父)
第二婦人シャンテ、次女リアナ、ホーエンハイム家当主マティス(シャンテの父)
そして第三婦人の子で長男カール、俺だ
ジュドーは、国境の警備の引き継ぎが残っているため参加出来なかった。
「私としてはご実家に戻っていただくのが無難だと思うんですがね」
「そもそも今回のことはクーデターでしょう、罪に問われないとでも思っているのですか?」
クラリア家はこれを機に俺を排除して王家に成り代わろうとしているような印象
俺としては今後の行動に支障をきたす可能性があるので隠居させたいと考えている
ホーエンハイム家はクラリア家よりも爵位が下なので出張らないようにしているようだ
「前国王は自分より力があるなら打ち破って国王になればいいと言いました、ただ言葉通りにしただけですのでクーデターにはなりませんよ」
「でしたら前国王が言ったと言う証拠を出しなさい、近衛兵が聞いていると言うのは嘘をつかせている可能性があるので証拠としては認めません。」
「でしたら時間がもったいですしクーデター構いませんよ。」
「クーデターであることを認めましたね!ならば罪を償うべきです!義理とはいえ息子ですから死罪だけは回避させてあげましょう」
貴族と言えば傲慢、傲慢と言えば貴族
状況を理解していないのもそうだがほとんどの貴族がこんなバカばかりなのが1番面倒くさい
俺は大きなため息をつく
「何か感違いをしているようなので説明いたしますね?これがクーデターだとして、国王を討ち破ったので国を手に入れる、なにもおかしいことではありません、本来王族であるあなたは処刑されてもおかしくないところをご実家に帰ってはどうですかと提案しているのです。私が幼いから主導権を握れると思っておいでですか?」
「であれば今ここで私があなた様を斬れば私が王、間違いありませんな?」
ジールはそういい俺を睨みつける。
「その発言は聞き流せませんね、痛い目に遭いたいならどうぞご自由に」
「あまり大人を舐めるなよ」
ジールは腰の剣に手を伸ばし抜刀した。
「君は二つミスを犯した」
「聞いてもいいですか?」
国王に「君」と言うのは君主として認めていないからだろう。都合がいいからこのまま進めるとするか。
「一つはこの場に剣の持ち込みを許可したことだ、剣聖の神意を授かっているの私に油断している。」
「二つ目は?」
「若さゆえに世の中を知らなすぎることだ!」
そういうとジールは俺に斬り掛かってきた。
凄まじいスピード、俺の首に正確にとられたが首は刎ねられない。
「なんの対策もせずに帯刀を許可するわけないでしょう」
「な、なぜ斬れぬ!」
「私には創造神の加護がありますからね、今日の演説を聞いていなかったのですか?」
あらかじめバリアを全身に纏っているため傷をつける方は不可能だった。
「こ、こんなことが…」
ジールは腰を抜かしその場にへたり込む
それを横目にシンシアを睨んだ時、彼女もまた「ひっ」という声を出して震えていた。
その時久しぶりに一人の姉の声を聞いた。
「カール、少しだけ話を聞いてくれないかしら」
「いいですよ、フィーネ姉様」
「ありがとう、私は父様と母様があなたの命を狙っていることは知っていたわ、でも私は反対していたの」
「続けてください」
「私ね、ディーネ様を信仰しているの」
「なっ、なに?」
ジールは驚く
「宗教の信仰は禁止されているけれど、身近な方が信者で、必要なければ破棄しても大丈夫です、と言って聖書をいただきました、それを読んで気持ちが少し晴れたわ」
「でも隠れて信仰することが罪悪案になってとても辛かったわ・・・」
「カールがディーネ様の加護を授かったと言い、宗教の自由化も許してくれたからこそ私はカールのために動くべきだと思った、だからニーナを通じてカールに父と母の思惑を伝えてあったのよ」
そう、俺はすでに裏切られることを知っていた。
魔法を使わずとも自分のことを信じて話してくれる人がいるのだ、俺はそれがとてもうれしかった。
「クラリア家は謀反を起こした罪としてシンシアとジールを平民の位に落とす、もっとも平民に落ちた貴族がどういう扱いを受けるかは想像がつくと思いますが」
俺は呼び鈴を鳴らしニーナを呼ぶ。
「ニーナ二人は今日から平民だ、金貨を30枚渡して城から追い出してくれ、危害を加えられないようにバリアをかけておく。」
ニーナにバリアを張り二人を任せた
貴族から落ちた平民は貴族社会から追放され、平民からは憎しみの目で見られる
行動の結果がこれだ、自業自得というべきだろう
「フィーネ姉さまにはクラリア家の家督を継いでもらう、今後はディーネ教の普及を司祭と行ってもらいますのでよろしくお願いします。」
「ではホーエンハイム家のご意見をお聞かせ願えますか?」