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俺が国王になるので、国を幸せにします。

謁見の日 正午

王の間の扉が開き招き入れられる。


「次の謁見はスーロン・カール。フォンティナです。」

王の側近がそういうと国王は椅子に座ったまま発言をする


「お前が謁見に来るのは初めてだな、何の用だ」


「単刀直入に申し上げます、王位を私に譲る気はございませんか?」


国王直属の近衛兵たちが槍をこちらに向ける。

「不敬であろう!」

槍には嫌な思い出があるんだ、やめてくれ


国王は右手をスッと上げ近衛兵は槍を戻す。

「カールよ、お前は自分が何を言っているかわかっているのか?」

「父上、逆に質問をしてもよろしいですか?あなたはこの国をどうするおつもりですか?」

「この数千年の間、各国のパワーバランスは均衡を保つ、それがわしの仕事だ」

「つまり何もする気がない、このままだと?」

「そうだ」

「仕事も何も各国がこぞってバカなことをしているだけです。」

「なんだと」

「何も変わらないということは衰退に向かっているということがわからないのですね」


国王は立ち上がり激怒した。

「貴様の来ている服は誰の金だと思っている!食事!ベッド!すべてわしが与えたものだ!」

「違いますね、すべては平民が与えてくれたものです、それを感謝もせず延々と絞り続ける、だからこの国は腐っているのですよ」

「文句があるのであれば手段を択ばずが国王になればよかろう!できまい!力のないものが偉そうなことをほざくのではないわ!」

「なるほど、王位につきたいのであれば殺してでも奪い取れ、ということですね」

「もうその機会は二度とないがな、おい、カールを地下牢に連れていけ、使い道はある」


近衛兵が俺を取り囲もうとする。

「近寄るな!」

近衛兵が一瞬動きを止める

「言質はとりましたよ、父上」

俺はそういい国王の心臓を囲むようにバリアを発動させる。

「なに・・・ぐっ・・・何をした」


国王はその場で倒れこむ

「力があれば国王になれると本気で思っておいでですか、父上」

国王は貴族が決めるものでも、血筋で決めるものでもない

「平民、いや国民が選ぶべきですよ、父上」


国王はその場で息を引き取った

死因は心臓をバリアで囲むことで血の巡りを止めたことだ。

防御魔法でも使い方を変えれば攻撃魔法にもなる。

グラビティでつぶして殺しても悪評が広がるだけになりそうだからな。

「おい」


近衛兵たちはビクッと体を震わせる。

「力で奪い取ったが国王が自分で言ったことだ、何も問題あるまい。」

「お前たちも悪いようにはしない、槍を向けたことも仕事だからな、今日はもう騎士団詰め所に戻っていい」

「謁見はすべて断る、このあと3時間後に全平民と貴族を集めろ、今回のことを伝える。」


そう言い放ち俺は王の間を後にする。

父上には感謝していることがひとつだけある。

俺に生を与えてくれたことだ。

実際はディーネ様の力ではあるが、父親相手ということには少しだけ罪悪感はある

それでも俺は国の人すべてを今よりも幸せにしたい

そのためであれば誰だろうと排除する


「ニーナ」

「はいここに」

王の間の前で待機していたニーナは俺の半歩後ろをついてくる。

「これから忙しくなる、お前にも苦労をかける、すまないな」

「私は若様の専属メイド、いつでもどこでもおそばにおります。」

俺は歩きながら照れくさくなって小さな声でつぶやいた

「・・・ありがとう」


聞こえていたかはわからないが後ろでニーナが笑っているような気がした。

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