10歳になったので、そろそろ暗殺します。
「我が息子の10歳の誕生日を祝って、乾杯!」
「「「若!おめでとうございます!」」」
俺が10歳の誕生日を迎えた日
前世の記憶を取り戻した
何もこんなタイミングで思い出すこともないだろう
「皆様、本日は私のためにお集まりいただきありがとうございます。スーロン王国の名に恥じぬよう、この身を国のために捧げる所存でございます。」
子供らしからぬ発言に周囲の貴族はざわめく
「今日のために練習でもしていたのか?お前の今後に期待するぞ」
「ありがとうございます。父上」
「お前達、今日集まってくれたことに感謝する、今後とも王国のために尽力してくれ」
「「はっ!!」」
その後貴族達と歓談し、宴も終わりを迎える
「ニーナ」
「はい、若様」
「部屋に戻る、1時間ほどしてからジュドーと一緒に部屋を訪ねてきてくれ」
「かしこまりました」
「父上、今日は宴を開いてくださりありがとうございました。私はこれで失礼します。」
「うむわかった、明日からも勉学に励むように」
父への挨拶をし俺は部屋に戻った。
ベットに腰掛け記憶の整理をする。
俺が生まれてから10年間の記憶はある。
女神と話したことや前世の俺の記憶もある。
しかしながら腑に落ちない点もあるため確認をすることにした。
「ディーネ様、聞こえますか?」
間髪入れずに返事が聞こえる。
「聞こえておるぞ、カール」
今の俺の名前はスーロン・カール・フォンティナ
スーロンが父の姓、フォンティナが母の姓だ
「記憶を取り戻すのに10年の歳月が必要だったのでしょうか?」
「その通り、赤子の体に前世の記憶を詰め込むと自我が崩壊するのでな、10年の間は死なないようにしておったしちょうどいいタイミングだと思ったのじゃ」
「ご配慮ありがとうございます。」
生まれていきなり終了するところだったのか、ディーネ様に感謝しよう。
「気にするな、その確認かえ?」
「それもありますが、魔法の創造をできるようにして頂きたいのです。」
「それは自分で魔法を開発できるようにしたいと言うことで間違い無いかえ?」
「はい」
「条件を飲んでくれればその神意、授けよう。」
「条件とは?」
「スーロン王国での我が信者を増やしてほしいのじゃ、我の信者はリット聖王国が8割じゃからな、力を使うにも信者の祈りが必要でな」
「わかりました。」
「では力は先に授けておこう、期待しているぞ」
体が少し熱くなったくらいの変化しかなかったが、本能的に魔法創造ができるようになったことはわかる
改めて少し整理しよう。
俺はスーロン王国の第一王子
母は7歳の時に暗殺されている
犯人の目星はついていないがいくらでも調べられるだろう
今は貴族だが前世で生きていた時間の方が長いためか考え方は平民に近い
そう、どこの国も貴族は腐っている人間が多いのだ
このスーロン王国は比較的マシ、というわけではない、むしろひどい。
重税、徴兵、戦争、奴隷、詐欺
平民を苦しめる制度は山のようにある。
「やはり改革が必要だな…」
早めに行動に移すことにしよう。
まずは国を一つ、手中に収めるとするか。
異世界転生ものが多いから普通に転生する物語も面白そうだなと思って書いてます。
現実の知識を持ってこれないのが厄介ですが読む人が楽しめればいいなと思います。