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明日の分です、投稿時間の模索してます
さて、俺たちはスズパレードのレースが終わってから帰途についた。その中で凛さんがこんな一言を発した。
「オーナーは何を目指されるのですか?やはり自家生産馬で有馬記念とかでしょうか?」
「そうだね、僕は在野における原石を見つけて磨いてこの馬の世界に華々しくデビューさせて一緒に楽しみたいし、勿論自分のところで生まれた馬たちをその原石たちと戦わせて勝ちたい気持ちもある、それに海外にも轟くような凄い馬にもしたいかな。」
俺は大きすぎる夢を語った。ここでバカにされたりとかしてもしょうがない事は分かっている。ディープインパクトやコントレイル、他にも様々な凄い馬たちがこれから生まれてくる。そんな馬たちと戦うために在野にいる凄い馬たち(銀や銅級)を育てて彼らに勝てるようにしたい。それに…不運にも散っていってしまう馬たちをなんとか助け出したい…
ライスシャワーやサイレンススズカ、別枠だけど適正を気付くのが遅れて十二分な活躍が出来なかった馬達を。
「なら、まずは帰ってスズパレードの予定組みからですね!」
琴音ちゃんの言葉に元気をもらいながら俺たちはあーだこーだ言いながら楽しく帰った。
さて、時が変わって牧場の事務室である。
帰りの電車で話していた通りこれからについて考えていく。「弥生賞」「若葉S」「スプリングS」、これらについてそれぞれの出馬予定の馬やそれにレースの間隔も考えなければ…
弥生賞、これは言わずもがなGⅡの大きな大会である。出走馬は前走でも張り合ったリキサンパワーやビゼンニシキ、それにあの「シンボリルドルフ」がでてくる。正直今は勝てる気がしない…それならば他のところを狙うべきだろう、スズパレードの疲れを取るためにも3/2の弥生賞はなしだ。
次に若葉ステークス、これにはあまり有名どころは出てきておらず共同通信杯でも勝った馬しか出てこないから安心だろう。距離も2000メートルでスズパレードなら勝てるだろう。
最後にスプリングSこれはGⅡだが有名どころは出走しないようだ。しかし距離は1800で少し短い。どうせなら確実に勝たせてあげたいが重賞馬にしてあげたくもある。悩みどころだ。実際スズパレードには非根幹距離を持っていてスプリングSには有利を取れる。悩みに悩み抜いた結果スプリングSにスズパレードを出走させることとした。それを琴音ちゃんに伝えると
「スズパレードの事を思いながらも熱い気持ちで背中を押してあげるんですね!私たちもスズパレードと頑張りましょう!」
と熱血になっていた。
「まあ、スズパレードは共同通信杯の疲れを癒すために1週間は休養にしてその後の2週間を使って調子と訓練を合わせていこう。」
中山競馬場 GⅡ スプリングS 岡部騎手
スズパレードは前走の頑張りを受けて1番人気である。しかし、調子を合わせることが間に合わず80%ほどしか引き上げてあげれなかった。そこが怖いところである。だが、世間の評判によると不動の1位らしい。各記者もスズパレードにいい評価をつけている。俺から見るとサクラレッドが今回スズパレードを脅かす可能性があると思う。実際記者の短評も良く五分といったところだろう。それでもスズパレードに勝って欲しい。俺はそんな気持ちを持ちながらレースを見守る。
今レースがスタートした!
スズパレードが今回も先頭集団に入り混じって優位をとる。スズパレードは先頭をとって集団に1馬身差をつけて先行する。それにサクラトウコウとシュプリクリームが続く。最後のラスト直線までスズパレードが先頭を維持する。四コーナーをカーブした後先頭スズパレードが速度をあげ集団などものともせずに一着を独走で手に入れる!!!今ゴールイン!!圧倒的な強さで後続に4馬身差をつけて一着を手に入れた!!!俺の予想などなんのその、余裕で強さを見せつけてくれた!
「やったやった!スズパレードが重賞馬だ!しかもGⅡだよ!!!!よっしゃ!!!」
俺は嬉しさのあまりはしゃぎまくった。それに引くことなく琴音ちゃんも凛さんも一緒に喜んでくれた。俺たちはそのまま岡部騎手のところに向かい記念撮影を行う。岡部騎手も喜ばしそうに顔をくずしている。
「いやあ、スズパレードの力を引き出してあげれて良かったです!この子となら結構良いところまでいけると思いますよ、最終的にはGⅠも運次第では全然狙えると思います。もしよろしければ主戦騎手としてこれからもよろしくお願いします。」
俺はあの岡部さんに絶賛されたことが嬉しかった。譲ってもらった馬だが既に四ヶ月ほど一緒にいて苦楽を少しでも共にした仲間が誉められたのだ。嬉しくないはずがない。
「勿論です!これからもよろしくお願いします!みんなで楽しめる競馬を作り上げましょう!」
俺はじいちゃんの夢をみんなに広めていく。これからも。