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8月も終わりが近づき秋の入り口になった頃。山岡は悩みがあった。
今この牧場に牝馬がいないのだ。レースに出せる競走馬は全て牡馬。バランスも悪いし、これからの牧場経営に差し障りも出てきてしまう。思い切って自家生産馬もない83年産駒の牝馬を譲ってもらうことを決めた。
さて、この時期だとメジロラモーヌなどの馬が有名だと思うが、強豪馬にむしろ挑むつもりでいたいから今回はダイナフェアリーを貰い受けようと思う。
この子はニッポーテイオーを一度破っている。重賞も3勝上げており、戦える馬な上に史実でも子出しが良く将来性もある。
俺の手で史実よりも勝たせてより良い子供を作れるようにしてやりたい。
実際これだけでは足りないので0歳幼駒の牝馬も購入した。こちらは、子出し無視のロマンを追いかけるための馬マックスビューティーである。史実ではタレンティドガールにやられて二冠で終わった馬である。今回俺が所有した事で三冠を達成させてあげたい。
それとは別に繁殖牝馬も購入した。と言ってもフォルティノ系三頭とノーザンテーストが父親の馬を一頭だ。史実でもいたかは定かでないが、自家生産を目指すなら最初の踏み出しとしては十分だろう。
84/9/2新しくうちに来た牝馬たちの世話をしながら毎日を過ごしているとマイル2000の結果が伝えられた。結果としては堂々の優勝であった。これで、スズパレードにも新しい成績が残り嬉しい事だ。次走は天皇賞秋2000メートルである。強豪馬ばかりで勝ち目は薄いだろうが挑戦するだけのポテンシャルはあるはずだ。是非とも勝って欲しい。その後はどのような結果になろうとも2400のジャパンカップである。距離適正外だが、出したいと思えるレースがここしかなかった。経験を積ませるだけならG2.3の方がいいのだろうか。悩みである。




