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スズパレードが負けて落ち込んでいないか心配になってレース後確認しにきた所岡部さんが声をかけてきた。
「すいません、スズパレードの力を引き出してあげれませんでした。」
「いえ、今回はまだ実力が足りなかったということです、この夏は2000マイルに勝負を仕掛けレースの経験を積ませて冬の天皇賞秋に、出走させる予定です。格上のG1ですが他のG3とかにはハンデや重量の件であまり出させたくないのですよね。」
「なるほど、山岡さんは本当に馬思いですよね。私もその意見には賛成します。馬には伸び伸びと走らせてあげたいですから。」
俺はスズパレードが落ち込んでいないのを確認し次の函館記念に向けて準備を始める。
函館記念に向けてスズパレードを休ませている間俺は新たな施設を牧場の敷地に作っていた。この前に言っていた観光施設、兼騎手育成場である。学校を出た後の新米騎手をうちの馬でトレーニングと訓練をできるように作ったものだ。今はまだ載せてあげられる馬もいないし知り合いの騎手もいないので宝の持ち腐れではあるが、ウチの新馬にも余裕が出てきたらあまり期待できないが育ててみたい馬と一緒に騎手も乗せていかせてあげたい。
また、繁殖牝馬を買い漁るか自分のところで買った幼駒を繁殖入りさせる以外はテコ入れしないかを悩んでいる。もちろん、予後不良を避けるために繁殖牝馬を買うのは別としてだ。インブリや流行りの血筋などを考えるとある程度あたりの繁殖牝馬は手に入るだろうが、、、。
とりあえず来年まで後回しだな。
よし!函館記念に向かうか。
場所は変わって競馬場
G3函館記念 2000メートル芝 騎手岡部
スズパレードの評価は余裕で、審査員全員の最高評価を貰っている。この程度で躓くわけにはいかない。今日は安心してスズパレードの1着を見てられるだろう。G1 G2を目指すならここをしっかり取っていきたい。綺麗なスタートをとりました。先頭はスズパレード、その後ろにヤマニンゴウトカネクロシオ。最初のカーブを曲がりました。順番を最初から見ていきます。スズパレードが先頭。3頭が先頭を取り集団を引き離す。最後の四コーナーを曲がる。スズパレード先頭!後続とは3馬身以上。スズパレード強い強い。ぶっちぎりの1着です。他馬を寄せ付けない圧倒的な強さです。
「よし!やっぱりG3は余裕で勝てるな!」
「そうですね!次の札幌記念も勝てたら本物のG1馬へのスタートラインをきれますね!」
琴音ちゃんとも言っていた事だが、強豪馬ひしめく本物のG1を取るには今回のようなレースをG2でもできなければいけない。マイル2000取るぞ!