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202×年 12.31 有馬記念


この寒い中、中山競馬場は熱気に包まれ今か今かと爆発を待っている。昨年にコロナが終息して初めての観客フル動員でやるG1だからだろうか、みんなの雰囲気がいつもよりもすごいことになっている気がする。俺、山岡銀次は某ウマゲームW◯pをやった事があり、ウ◯娘のブームに乗っかり競馬に戻ってきた男だ。といっても、楽しむ側では初めてになる。いつもはじいちゃんの牧場を手伝い馬を送り出す側だった。そのじいちゃんが亡くなってからは馬からも離れていたが何故か今日は来てしまった。何故なのだろうか。

そんな他愛もない事をつらつらと考えていると特徴的なファンファーレがなり始まり会場の熱もどんどん上がってきた。

じいちゃんはいつも言っていた、わしが育てた馬を色んな強い馬と戦わせてみんなで盛り上げて楽しみたい、そしてお前にも楽しませてやりたい。俺はじいちゃんにそう言われていたのに、牧場を継ぐ権利を貰っても悲しみに暮れて何もできなかった。これだけがずっと心に残る後悔だ。俺はどうしたら良かったのだろうか。

「今スタートを切りました!」

各馬の紹介を終えた実況がスタートを伝える。

どうしたら良かったなんでわかりきっていた。じいちゃんの夢を継いで自分で馬を育ててレースに出してオーナーとしてやっていくべきだったのだ。それを理解して納得できるまでに時間がかかり過ぎた。周りには恵まれていたのだ、牝馬や2歳馬、競走馬を譲ってくれる伝手もあった。もしやり直せるなら俺は…

「ふざけんなあ!!」

後ろの小汚い男が馬券を外したのだろうかキレ散らかして暴れている。こんなところさっさと抜け出さなければいけないのに人が多く身動きが取れなくなった。

「しねえええええ!!!」

男は無差別にポケットから出したナイフを振り回し始めて周りはパニックになる。俺も逃げようとしたが、子供とそのおじいちゃんが逃げ遅れていて襲われかけていた。俺に助ける義理なんてないのに体が勝手に動いていた。

「うわあ!」

俺は男のナイフが首に刺さりそのまま意識を失ってしまった。


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