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のろい日

果たして自分はこんな中途半端な作品、それも他のものを終わらせていないというのに、つくってよいのだろうか、とはカンガエタガ、そうこれは準備期間。設定とかの細かいところを考えているだけだ。(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)。



イタチの死体が道に転がっている。それを見た僕の隣を歩くチビは「ワアッ」と大声をあげ、大きく退きそれがなんなのかを理解しようとしていた。


チビはこれを理解し、少々これを大げさに避けながら小声で話しかけてきた。


「おい、これ。」チビは端的にその死体を指した。

「死んでるな。」「うん。」「ご臨終様だね?」「そうだな~」

「なんまいまーなんまいだー」「南無南無南無」


そんなことを、話した。チビと共に南無阿弥陀仏ーと唱えながら石橋を渡る。悪いな、とは思う。もしも僕が自分の気持ちに愚直で周囲の目を気にしない、勇敢なる若人であれば、このイタチの死に涙し、身心が籠った誠実な祷りを唱え、その死体を何処かの土に埋めてやり、墓を作ってやるのだろう。


だが、僕は脆弱な人間だ。周囲の好奇な視線を振り切ろうとは思わない。きっと、誰か、心優しい人がやってくれる、そう思って通り過ぎた。そんな、ほんの少し。ほんの、少しの罪悪感に似た何かがこんな会話を産み出したのだろう。どうにかしてこの思いを紛らわそう。そんな、思いが僕らがふざけていると思われる会話をさせたのだろう。


と、勝手に考えてみたが、たぶん違うだろう。そんな思いでチビは死体を指したんじゃない。ただのネタにしたかったのだろう。ちょうど会話のネタも尽きてきたところだったからなぁ。

つまりはさほど興味がなかったのだ。残念だ。ほんと残念だ。僕も自分が自分らしからぬ聖人の一端があるのでは?と、思い少し舞い上がってしまっていたからか、落胆がひどい。


別に罪悪感がない訳ではない。だからといってそんな罪悪感に一喜一憂するほど興味があったわけでもない。死という身近にないテーマに多少の興味はひかれたが、そんなことよりチビという最近できた友達との関係性さの構築の方が大切である。

いやはやなんと畜生な人間だと思えはしたが、人間も畜生なのだから仕方ないか、と、思って、チビの隣を、あるく。



彼らの背中が通りすぎて行く。ここは近隣の人々の憩いの場である並木道。ここを通る敷川を中心とするかのようにあるこの道は彼らの通学路である。




ふわりと黒い気体がイタチの死体にまとわりつく。



それを見た年老いた、黄色く滲んだ白いワイシャツの上にスーツを纏う翁が「おや、これは。」といって何処かへと行った。



それから30分ぐらいたっただろうか。その翁が黒い袋を持ってやって来て、イタチの死体をいれて持っていった。

その翁の名を喜田 宗一郎 という。この近隣の学校にある太陽学園で生物を教える教師である。

つづく( ̄ー ̄)

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