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魔法のごはん

ファンタジー、たぶん



魔法でごはんを作っちゃ駄目なんだよ。

正確に言うと、何もないところから、食べ物を作り出すのがダメ。世界の理に障る可能性があるから。特に自分で作って自分で食べる場合。

ごはんって何のために食べるかわかってる?…うん。食べないと生物は死んじゃうからね。生き続けるためには、食べてエネルギーを生成しないとダメ。生きるためには、エネルギーを取り入れる必要がある。

例えば、魔法で食事を生成するのに10MP消費するとする。それで作り出した食事で回復できるMPが10以下なら、ある意味問題ない。総合的に見ると赤字だから。魔法の食事だけだと、セロリしか食べなかった人みたいにだんだん弱って死んじゃうだろうけど、それは道理だから。あるいは他の人に食べさせるのでも、循環しないから問題ない。

MP10消費して作られる食事でMPが11以上回復すると、それは拙い。疑似永久機関になってしまう。永久機関は存在しない。存在してはならない。理に悖る。いわゆるエネルギー保存の法則。エネルギーは完全な循環をしない。

作って食べて、他からエネルギーを取り込まずに生きていけてしまったら、それは理に悖る。生きている動物なら何かを食べずには生きていけない。まあ、寿命を克服できるわけではないけれど…。

理に悖った時どうなるかはわからない。普通はしないしできないから。でも、良い結果にはならないだろうって言われている。何も問題ないならやっちゃいけないって言われないだろうし。

話を最初に戻すと…ともかく、魔法でごはんを作るのは駄目なのです。理に悖っていない…総合的に見て赤字でも。いや、赤字だから、その場しのぎにしかならない、という意味でのダメ。セロリしか食べなかった人みたいに、栄養失調…この場合は魔力欠乏かな、で死んじゃうから。

食べても栄養がきちんと摂れないのは、ワーキングプアと同じで遠回しの自殺行為みたいなものだから。少しずつ弱っていくからかえって性質が悪いんじゃないかな。

それに、栄養が伴わないのに、普通のごはんより美味しいと感じる場合もあるから、性質が悪いんだって。そういうダイエットが考えられたこともあったらしいけどね。色々と、バランスを崩しやすくなるから、医者からは確実に止められるやつ。食事って実はメンタルにも影響するらしいんだよね。栄養補給だけの問題じゃなくて。私は詳しくないけど。

他の人に食べさせる魔法のごはんの話?…栄養面ではあれなんだけど、倫理面に問題のあるケースがあるらしいんだよね。依存性、っていうの?まあ、自己責任かな…。当人でやって。

噂話だから嘘なのかも。魔法だけ、術者の魔力だけでできたごはん。普通のごはんとは違う味がするんだって。それで、病みつきになっちゃうケースがあるとか、なんとか。まあ、普通に魔力が合わないと逆に食べれなかったりもするんだろうけど。

そもそも魔法で一からごはんを作って美味しく作れるのかって問題もあるよね。そういえば。魔法は想像力が大事だから術者の想像の及ばないことは基本できないけど。普通に料理の仕方を知らないと食べられるものにならないとも聞いたような。まあ実際にやったことも食べたこともないけど…。

食べたものがその人を形作るなら、他者の魔力で作られたものだけを食べ続けたら、構成成分の全てがその人の魔力に置き換わったりするのかな。…って何言ってるんだ私は。発想が洒落にならない。

調理に魔法を使うのは別にいいんだよ。それは全然問題ない。慣れてないと普通に作るより付かれそうだけどね。火加減の調節とかは魔法の方が細かいコントロールがききそうだし、手順を理解してるなら、美味しく作れそうだよね。

まあ魔法のセンスと料理のセンスは別物だし、魔法薬とか、料理に通じる要素のある魔法もあるけど。それこそ、手足のように使えないと、結局手間だったりするのかな、知らんけど。

魔法って、きちんと学んでみると意外と不便だよね。まだちゃんと使えなかった頃は、もっと、何でもできるものだと思ってた。おとぎ話の中だけなんだ、そんなのは。

まあ、できないんじゃなくてやっちゃいけないこともあるけど。やっちゃいけないってことは、やるとよくない結果になるってことで、できないってわけじゃないんだよね。…ああいや、別に、企んでるわけじゃないって。やっちゃいけないことを態々やるほど、問題児ってわけじゃないつもりだよ、私は。利益のないことをしたって無意味じゃん。ねぇ?

ね、そういうわけで、何か食べに行こうよ。とびっきり美味しいものを、さ。



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