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チョコレートより甘い  作者: あざらし。
7/9

(7)

その笑顔も心も全て俺のものにしたい。

そう思うようになったのはいつからだっただろう。




バレンタインデー前日。

井上は学校を休んでチョコレートを作るという柄にもないことをしていた。

なぜそんなことをしているのか。

それは明日、ずっと想い続けてきた人に告白するためだった。


「佐藤…」




佐藤の様子がおかしいと思ったのは、数日前のことだった。

話かけても目が合わない。態度もどこかよそよそしいものだった。


自分は何か嫌われるようなことをしてしまったのだろうか。


心当たりがないわけではなかった。

最近の自分は以前より彼に触れる回数が増えた気がする。意図的にやっているわけではないが、彼に触れたいと思う気持ちが日に日に増して、気付けば肩や腕に触れていたこともあった。

それが原因かもしれない。


佐藤が誰かと話しているのを見るだけでその相手に嫉妬した。普段一緒にいる友人でさえ、嫉妬の対象になった。



先日、佐藤の熱を額で計ろうとした時のことだった。あの時の彼の避けかたは尋常ではなかった。それほどまでに嫌だったのだろうか。

だが、自分でもやり過ぎたと思った。

普段の佐藤ならあからさまに嫌がるということはしない。

やはり俺は嫌われたのだろうか。



嫌われていたのだとしても、自分の想いを伝えたいと思った。

佐藤を好きだという気持ちを伝えられないまま、友人ですらなくなってしまうのは嫌だ。

そう思い、バレンタインデーに告白することを決意したのだった。

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