表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョコレートより甘い  作者: あざらし。
4/9

(4)

友人を好きになった。それも男だ。



俺の気持ちを知ったら井上はどう思うだろう。

気持ち悪がられて、今の関係さえ続けられなくなってしまう、それだけは嫌だった。

この気持ちを伝える気はない。

友人でいられなくなるのが恐いということもあるが、井上はバレンタインに好きな子に告白しようとしている、そんな時に悩みの種を増やしたくはないのだ。

とにかく今は、友人として彼の恋を応援しなければならないと何度も自分に言い聞かせた。



翌朝、井上が学校を休むということを担任から聞いて知った。

いつもなら俺にも連絡してくれる。なのに今日はそれがなかった。

具合が悪くて寝込んでいるのだろうか。

それとも、昨日チョコレートを食べた時俺の気持ちが態度に出ていて、それで俺の気持ちに気付いてしまったから俺に会いたくないと思ったのだろうか。


自分の気持ちを恋と認めてから不安ばかりが頭に過る。


しかし、悩む暇を与えないとばかりに俺の回りに数人の女子が集まってくる。もちろん目当ては俺ではない。井上が何故休んだのか聞きにきたのだ。


「なんで井上君来てないのー?」


「風邪でも引いたんじゃない」


「大丈夫かなぁ、明日来れるといいんだけど」


適当に会話をしていたが、井上の心配をしているのか、明日に控えたバレンタインデーの心配をしているのか分からない人もいた。


井上が好きになったのはこういう人ではない。

そう信じたかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ