おさなご
いつも護られてばかりの小さな身体で
あなたを包み込もうとしても
細く幼いこの手は助けを求めるように
あなたの身体にしがみつくだけ
私はその歯痒さと情けなさに涙があふれ
あなたは自分の悲しみを押し殺し
そっとやさしく微笑む
慰めたいあなたに慰められ
私はさらに涙をながす
あなたの腕の中にいる私は
あなたを護る術を知らず
あなたに耳を塞がれた私は
あなたを護る知恵もなく
あなたが私のためと思ってのことだと
わかっている私はそれを振りはらう
勇気もなく
行き場をなくした想いは途方にくれて
もてあました想いは荒れ狂う衝動となり
押さえつけられない“年相応”の癇癪に
腹立たしいみじめさは尽きることはなく
私を護るあなた
ではいったい誰があなたを護るのか
その問いに
あたたかな腕の中で足掻く私を
いつも笑って受け流すあなたの口から
私の名前が紡がれることはない
突き付けられる虚しさを埋めるように
私はあなたの名前を呼ぶ
私の名前をあなたが呼ぶまで、何度も