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短編詩集

おさなご

作者: 雨読


いつも護られてばかりの小さな身体で


あなたを包み込もうとしても


細く幼いこの手は助けを求めるように


あなたの身体にしがみつくだけ


私はその歯痒さと情けなさに涙があふれ


あなたは自分の悲しみを押し殺し


そっとやさしく微笑む


慰めたいあなたに慰められ


私はさらに涙をながす




あなたの腕の中にいる私は


あなたを護るすべを知らず


あなたに耳を塞がれた私は


あなたを護る知恵もなく


あなたが私のためと思ってのことだと


わかっている私はそれを振りはらう


勇気もなく


行き場をなくした想いは途方にくれて


もてあました想いは荒れ狂う衝動となり


押さえつけられない“年相応”の癇癪に


腹立たしいみじめさは尽きることはなく




私を護るあなた


ではいったい誰があなたを護るのか


その問いに


あたたかな腕の中で足掻く私を


いつも笑って受け流すあなたの口から


私の名前が紡がれることはない


突き付けられる虚しさを埋めるように


私はあなたの名前を呼ぶ


私の名前をあなたが呼ぶまで、何度も



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