エピローグ
山田が次の日に学校を休んだ。
や、違う。
ここ最近は全く見ていなかった。
「赤沙、エゲツナイ上に役者だな。まあ大根役者であることは否定は出来ないけど」
「あら、貴方のほうが最低よ。さっさと死になさい」
ボクらは、また帰りの教室で話をしている。
話題は、今、学校に来ていない”山田”について。
「ボコボコにされたのに、鞄は教室に合って、靴すら校内にあるのは誰でも変に思うわ。分かっていなかったとは言わせないわ」
「そうだね。でも山田が学校に来ていないのは赤沙、キミの責任だ。心から大好きな人間から汚い悪口を言われて、挙句の果てに、その本人が狂っているなんて信じられないだろ。俺ですら考えつかなかったよ」
「害虫は害虫のままね。でも害虫以下はなかなか駆除が容易じゃないのよ。貴方は知らなかったみたいだけど、私はストーカーされていて怪しげなファンクラブさえ作られていたのよ。誰だって気持ちがるのわ、当然の権利だわ」
「それで、相手にトラウマを負わせてもか?意外と山田は打たれ弱かったんだな。知らなかった。1つ勉強になった」
人生などはくだらなくてつまらなくておわらない。
暇をどうやって潰すか。
ボクはそれが1番の悩みであり、それ以外に悩みがなかった。
たまたま屋上で詩嚢としていたら、メンヘラな女が引っかかるとは思わなかった。
極度の妄想癖。
あくまでも相手が立場が上であるように思わせて要らぬことを吹き込むと、簡単に信じてくれた。
やはり病気持ちは違うんだな。
こんな幼稚な計画にあっさり乗ってくれた。
そして、山田もあっさりとかかってくれた。
もし、これが小説だと考えたら、あまりにも陳腐すぎて笑いすら起きない。
時間を返してくれと作者に文句を突きつけるかもしれない。
あまりにも低俗すぎて反吐すら出やしない。
だけど、ボクの暇つぶしは、こうも簡単に終わってしまった。
スムーズに行き過ぎて恣意的にすら感じられる。
だが、人生などあっけないものなのかもしれない。
次は何をやろうか。
まあ何をやっても、くだらない。