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ともだち  作者: 志に異議アリ


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2/2

女同士


「なんであんたが我慢すんのよ」

カフェのテーブル越しに、奈緒は身を乗り出した。

向かいの美咲はストローをいじっている。


「別に、我慢ってほどじゃ……」

「我慢よそれは」

奈緒はため息をつく。


怒っているのは彼氏にであって、美咲にではない。


「好きなんでしょ?」

「……好き」

その一言で、美咲の目が潤む。

奈緒はハンカチを差し出す。

奪うように受け取られた。


「いい? 好きだからって、雑に扱われていい理由にはならないの」

美咲は泣きながら笑う。


「出た、名言製造機」

「うるさい」

少し静かになる。

奈緒はコーヒーを一口飲んでから、ゆっくり言った。

「私があんたを好きなのはね、ちゃんと素直に怒るとこも、ちゃんと泣くとこもあるからよ。そこ削ってまで誰かに合わせるの、私は許さん」

美咲は鼻をすすった。


「奈緒が彼氏なら良かった」

「絶対めんどくさいわ私」

二人で笑う。

「別れたほうがいいと思う?」

「うん」

「即答やん」

「だって、あんたの顔が曇る相手は嫌」

美咲はしばらく考えたあと、スマホを取り出す。


「……電話する」

「ここで?」

「ここで」

奈緒は頷く。

逃げ場は作らない。

でも、横にはいる。


通話ボタンを押す指が震える。

奈緒はその手を、黙って握った。

美咲の声が震えながらも、はっきりと告げる。



「私ね、もっと大事にされたいの」

通話が終わる。

泣き崩れる。

奈緒は背中をさすりながら言う。

「よく言った。あんた偉い」

美咲は涙でぐしゃぐしゃの顔で笑う。

「奈緒、いなくなったら困る」

「当たり前やろ。あんたが老後まで面倒みんねんから」

真正面からぶつかって、

ちゃんと泣かせて、

ちゃんと笑わせる。

それが、彼女たちの友情だった。



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