第6章 私、恋はしません
明との飲み会も終わり彼女のエマちゃんを紹介された。エマちゃん。すこぶる良い女だった。忍は少し心を乱されたが今回は本気だった。「もう、恋なんてしない特に在学中は勉強に専念する、嫌、出来ると思っていた。」そして、牛久駅で電車を待って居ると約束の倉持静香の乗る電車がホームに滑り込んで来た。一番先頭の車両に乗っていると静香は言っていた。忍は一番先頭の車両に乗り込むと静香の顔が目に入った。運転席の窓にしがみついて居た。静香は背が高いので目立った。「おはようございます。」忍は静香の背後から声をかけた。「おはようございます。」静香も笑顔で忍の顔を見た。電車は満員であった。「静香ちゃん。英会話得意なんですよね。通学は日本語禁止にしましょう。英語で会話していきましょう、自信はないけどよろしくお願い致します。」忍は静香の顔を見てニヤリ微笑んだ。「はい、わかりました。」静香は英語で答えた。「しばらくは英語の授業しかやらないんですよね。」忍は英語で尋ねた。「はい。そうみたいですよ。」静香は英語で返事をした。「昨晩、友達と飲みに行ったんです。友達は筑波大学医学部なんですよ。来年医者になるって豪語してました。その友達が彼女が出来たと紹介してくれたんですが、その女性が良い女でした。ちょっとビックリしました。」忍はたどたどしい英語で言うと静香は理解出来たらしく。「楽しかったですか?」静香は英語で聞いて来た。「俺は、在学中は恋をしないと心に決めてます。だから、静香ちゃんも俺の事は好きにならないでください。別に嫌いって理由ではありませんから誤解しないで下さい。好意を持ってもらえるのありがたいのですが、パイロット試験に向けてお互い切磋琢磨して行きましょう。」忍は、また、たどたどしい英語で静香に気持ちを伝えた。「古宇田さん。わかっておりますわ?卒業まで良きライバルでいましょう!」静香はスラスラと英語で話した。「静香ちゃんは、将来は、もう考えているんですか?」忍は静香の顔を見た。「はい。JALかANAに就職したいと考えております。最近では女性のパイロットも増えていますから」静香はスラスラと英語で答えた。「そこまで考えているんですね?」忍は静香の顔を見て優しく微笑んだ。「俺は自衛隊か、ANAかアメリカの航空会社かな?まだ漠然としてますが?」忍は、まだ受かってもいない夢を口にした。「私、古宇田さんに一目惚れしたのですが私も恋は諦めます。ほら、土浦第二高等学校って男子が少ないじゃないですか?だから大学生になったら恋をしようと考えていたんです。古宇田さん見たいなカッコいい彼氏見つけてと思っていましたが古宇田さんの決意を聞いて私も諦めます。パイロットになってからでも遅くないですし。有り難うございます。目を覚ませてくれて!」静香は忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。「それでいいねか?人生一度きりだぞ!若い時にやりたいことしないとすぐにオバサンになってしまうからそんな我慢するなよ。俺はその答えにならないけどな?だから良い人がいればアタックしても良いと思う静香ちゃん。可愛いしね。どうだ、福島県から来ている白戸英二なんか?彼、大学の近くにアパート借りている。ギターが得意らしい。音楽好きに悪い奴いないからお勧めするぞ。ちょっと細めだけど一緒に歩くくらいなら問題ないだろう。本当は軽音サークルに入りたいらしいけどこの間の教授の話ではそんな時間は1年にはないと言われ諦めたらしい。真面目な男だぞ?俺も彼のギター聞いて見たい。」忍は静香の顔を見て優しく微笑んだ。そんなこんな色々な話を英語でしていたら、後ろに立っていた外国人が「あなた達、日本人じゃないですか?英語完璧です。」と声をかけて来た。忍はその女性に「うるさかったですか?ごめんなさい。」と謝った。「いいえ。」彼女は日本語で返した。三人は顔を見合って苦笑した。「学校の方針で英語以外話せないから、英会話の練習していた。」と静香が流暢は英語で説明したら女性は納得して、また、微笑んだ。そして、上野に着くと二人は電車を降りた。山手線に乗って新宿で降り小田急電鉄に乗り換え東海大学前で降りた。二人が教室に入ると全員がすでに座っていた。「おはようございます。」二人は挨拶をすると皆が「おはようございます。」と返してくれた。すると英会話の教授の横山かおりが教室に入って来た。「皆さん。おはようございます。今日も英会話から始めます。これから、一人ずつ、英語で自己紹介して下さい。得意な物とかありました、それを交えながらお願い致します。それでは年の順番で取り敢えず古宇田さんから。」横山教授は忍の顔を見て優しく微笑んだ。「俺は、4年間.佐倉急便でドライバーの仕事をしてました。だから、配達の順番や荷物の集荷のテクニックは持っているつもりです。俺に用意ドンでやらせたら荷物を宅配して一番で帰って来る自信はあります。それとアメリカのエンタメにも強いと思っております。70年代から今日までの洋楽には詳しいです。洋楽のカラオケも得意です。一曲歌ってもよろしいですか?バングルズのエターナルフレームです。1989年の作品です。お聞きください。」忍はそう言うとスマホの洋楽カラオケアプリをタッチして音を出した。前奏が始まった。教授はビックリした表情を見せて忍を凝視した。透き通る声で忍はエターナルフレームを歌いだした。勿論英語である。教室から拍手が鳴った。昨晩もキャバクラで歌った曲であった。忍が歌い終わると皆から拍手が沸き上がり「古宇田さん。面白いわね。自己紹介でカラオケ歌った生徒始めて見たわ、上手かったわよ。発音もバッチリだったわよ。香取教授が面白い子が入ったって言っていたからどんな子かな?と思っていたらあなたてましたね。つかみはオッケーよ。」横山教授は忍の顔を見てニヤリ笑った。まるでネイティブが話をしているみたいに聞こえた。「はい次。白戸英二さんの番。頼みます。」横山教授は白戸の顔を見た。「僕の特技はエレキギターです。イーグルのドン・フェンダーのホテルカリフォルニアを聞いて憧れ始めました。ギブソンのダブルネックギターに魅了されました。ホテルカリフォルニアは不屈の名称曲です。ラストの何分間のジョー・ウォルシュはフェンダーのギターです。二人のセッションがたまらなく好きです。」英二が熱く語った。「わかる!」と忍が口を開いた。「次は間根山博さん。お願い致します。」横山教授は間根山は顔を見た。「僕ですか?実はテレビゲームが得意です。eスポーツの選手なんです。だから、シュミレーターなんかも得意ですよ。多分誰にも負けません。この学校では4年になったらやるんですよね。教授?」間根山は横山教授の顔を見てニヤリ微笑んだ。「はい。そうですが、アメリカ留学時にもやります。」横山教授は間根山の顔を見て答えた。「はい。次は松山孝さん。お願い致します。」横山教授は松山の顔を見た。「僕ですか?ドリフトにハマっています。毎週日曜日、福島県にあるドリフトコースで色んな人達とドリフトをやっています。愛車はS13シルビアQsです。」松山は走り屋であった。「松山さん。公道ではやらないで下さい。捕まりますよ。そうなるとこの学校にも居られなくなります。」横山教授は松山の顔を見て優しく微笑んだ。「次は青山豊さん。お願い致します。」横山教授は青山の顔を見た。「僕は、バイクが趣味です。ツーリングが好きです。特に古いバイクが好きです。僕のバイクはKH400で昭和52年式で2スト3気筒エンジンで音がすきなんです。シュウちゃんなんですよ。集合チャンバーの略です。なかなか良いメロディーを奏ます。僕の恋人です。」青山は皆を見て、ニヤリ微笑んだ。「私は車もバイクも疎いのでよくわかりません。有り難う御座いました。楽しそうですね。ドリフトもツーリングも?」横山教授はニヤリ微笑んだ。「男子最後は塚原昭二さん。よろしくお願い致します。」「僕はこの身体を活かして筋トレやダンスが得意です。よろしくお願い致します。」塚原は皆の顔を見た。「有り難う御座いました。塚原さんは身体が売りなんですね。健康的で素晴らしい。パイロットも健康第一ですからね。生活習慣病は即アウトです。」横山教授は皆の顔を睨んだ。「次は女子の倉持静香さん。お願い致します。」横山教授は倉持の顔を見た。「私はソフトボールが得意です。ピッチャーでした。時速115キロは楽勝です。プロだと120キロは出ます。野球では160キロですね。誰か対戦しませんか?後この178センチの身長が持ち味です。プロのスカウトも来ました。が、パイロットの夢を諦められなくて断りました。」静香は流暢な英語で話した。「菊川玲子さん。お願い致します。」横山教授は玲子の顔を見た。「私は、何もありません。しいて言えば大食いですかね。有名な大盛り店に出入りしました。たとえばラーメン3キロ、チャーハン3キロは余裕です。カレー、トンカツ、も余裕です。嘘だと思いでしたら勝負いたしましょう?いつでもどうぞ。」玲子は皆の顔を見てニヤリ笑った。「大食いですか?うちの父親が大食いです。」横山教授は玲子の顔を見て優しく微笑んだ。「次は夏川恵さん。お願い致します。」横山教授は恵の顔を見た。「私は、サックスホーンが得意です。高校時代はブラバンでした。皆さんを感動させる事が出来ます。」恵は皆の顔を見て優しく微笑んだ。「最後は、秋元麻衣さん。よろしくお願い致します。」横山教授は麻衣の顔を見た。「私は、高校時代は競技かるた部にいました。ちはやふるの影響です。地区大会の優勝はしましたが全国に行くと駄目でした。だから、清める事は出来ませんでした中途半端な女です。心残りです。だから、ここでは思いっきりやりたいと思います。以上。」麻衣は皆の顔を見て優しく微笑んだ。「皆さん。良く出来ました。話はすべてわかりましたよ。優秀です。古宇田さんから秋元さんまでいろんな趣味特技をお持ちでした。」横山かおり教授はそう言うと白戸英二の脇に座り二人でひそひそ話を始めた。横山教授もギターをやっていたので話をしたかったらしい。二人で英語で話をしていた。横山教授はエリッククラプトンのファンらしい。中でも、ディアーズインヘブンやレイラが好きらしい。忍も勿論知っていた。どちらとも良い曲であった。ディアーズインヘブンはクラプトンの息子が不慮の事故で亡くなった時作った歌でレイラはビートルズのジョージハリソンの奥様に恋をした時の歌だった事は忍は知っていた。そして毎日、英語と英会話の授業が続いた。ある日、日本にとんでもない事件が起こる。C国戦闘機が日本の領空を侵犯して、首都東京上空で空戦が始まる。ハッカーに自衛隊とアメリカ軍のシステムが乗っ取る事件がキッカケであった。これに反日帰化国会議員が関与することで大問題となって激動の時代に突入していくのである。




