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グレイズ・オブ・グローリー blue sky blue  作者: やましたゆずる
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第5章 友達に話す本当の事

その日の授業が終わり、倉持静香と小田急電鉄に乗った。女性と電車に乗るなんて久しぶりで少し緊張した。が、二人は話が進んだ。授業の話や友達の話、飛行機の話。新宿に着くと山手線に乗り換え上野へ常磐線に乗り換えた。二人は座席に座った。肩をぶつけ合いながら忍は恋の話になると黙った。静香に思いをよされるのを嫌がった。学生時代は恋愛はしないと心に決めていたからだった。忍は女性から言い寄られる事が多かった。イケメンで筋肉がしまって良い身体をしていたからだ。話をしていると優しさもわかった。「背負っている感じで嫌だから彼女は作らないとは絶対に言わなかった。お茶を濁した。パイロットになってからで良い。」と言うと静香も納得していた。「私もそうだけど古宇田さん。見たいなイケメンと付き合いたいなあ?」とかまをかけてくる。そんな話が取手あたりから始まると忍は完全に後手に回った。自分を謙遜する言葉しか出て来ない。一緒の通学をやめたくなった。卒業まで続くと思うと夜も寝られなくなりそうだった。静香は長身でとても可愛い女性で魅力的であった。忍は心は揺らいだが今回は諦めた。パイロットになってからでも遅くないと。牛久駅に着いた。「倉持さん。ここで降ります。今日はご苦労さまでした。また、明日。さよなら。」忍は静香に手を振って電車を降りた。そして、ホームのベンチに座りスマホを出して、話を始めた。「明、大学入学したからこの間言っていた酒ごちそうしろよ。今晩あたりどうだ?」忍は明に催促した。彼女のエマちゃんを見たかった。それと今まで明に嘘をついていた事を話す決意をしていた。「わかった!今晩空いているよ。松見公園前で待ち合わせでいいか?車で来るなら帰りは代行にしろよ。それじあ!8時に松見公園前で会おう!」明は電話を切った。「ただいま帰りました。」忍は自宅の玄関を開けた。「おかえりなさい。」母佳代子が出迎えてくれた。「忍、ご飯にするか?今日は手作りコロッケとハムカツだよ。手を洗ってすわりなさい。ビール飲む?学校はどうだった?」母佳代子は、ご飯の支度をしながら忍に聞いてビールの栓を抜いて瓶とコップを忍の前に出した。「そうだな?10名クラスで男6名と女4名のクラスになった。皆、頭の良い高校出ていて素晴らしい連中だよ。皆、目指している所は一緒だからパイロットだ。後、初日から英語の授業しかやらなかった。しばらくは英語だけだけだってさあ!2年生になったらアメリカ留学への準備だとさ!」忍はビールを一気に飲み干した。「母ちゃん。今日、図書館でフィリピン海戦の資料見たんだけど俺の見た夢の話は本当の事だったんだよ。当時500機もの零戦が撃墜されたらしい。ひでえなあ?ほとんどアメリカ軍の作戦の中にまんまとハマったみたいだ?日本軍は何も出来なかったみたいだ。若者は犬死にしていったんだよ。今の俺より若い奴がバタバタとね。後なあ?谷田部海軍飛行場から飛び立ったわけじゃなく空母で出撃したみたいだ。ここの訓練生が招集されたって事だった。俺は、ここから飛び立ったとばかり思っていたよ。多分半分は帰れなかったんだろうな?写真を見ると凄い戦いだったのがわかる。」忍は佳代子に熱く語った。「あんただったら行くのか?母ちゃん答えはわかるけど聞くね。」佳代子は忍の目を見つめた。「高市総理だから行く、石破、岸田ならいかなかった。」忍は佳代子の目を見つめた。「やっぱり行くか?父さん母ちゃん。寂しくなるなあ?でもあんたの事だから帰ってくるか?アハハ!」佳代子はしんみりしたが最後は豪快に笑った。「それでさあ。クラスに土浦第二高等学校からの女の子がいるんだけど、ヤバい雰囲気になりつつあるんだ!色恋に発展しそうな?毎日一緒に登校しようと決めたんだけど少し憂鬱でつくばエクスプレスで行ってしまおうかと思ったけと、それこそ、彼女に失礼だからそれは辞めて一緒に登校する。俺、パイロットの試験受かるまで女は辞めると決めたんだ。面倒くさいし!」忍は佳代子の目を優しく見つめた。「あんた、女子からモテるから幼稚園の時から変わらないね?」佳代子は忍の事は知っていた。「あんたが初体験の相手中学3年の頃の長沢優香ちゃん。最近子供を抱っこしてスーパーに来ているわよ。最近産まれたんだって?男の子だよ。いつの間にか結婚していたんだね。良くうちのスーパーに来てくれていた。良い男と多分あの男が結婚相手ね。少しインテリぶった。いけ好かない男。あんたの結婚はまだまだ先だね。孫の顔早く見たいけど諦めるしかないね。」佳代子は、ご飯の支度をしながら話をした。「それで思い出した。今晩、明と飲みに行く!彼女出来たから紹介するだってさ!童貞捨てたって言っていたから俺も本当の事話さないとイケないと思ってる。俺は童貞って事になってからさあ。」忍は母佳代子の顔を見てニヤリ笑った。「忍、出来たわよ。早く食べなさい。今夜出かけるんでしょう?」母佳代子は味噌汁をお椀に注いで忍の前に出した。「いただきます。」合掌し箸を持ってコロッケを取って口にすると「サクッと」音がした。「うん。上手い!これだ、母ちゃんのコロッケ!母ちゃんは食べないの?」忍は佳代子の顔を見た。「お父さんと食べるからあんただけ食べなさい。母ちゃんはビールとコロッケおつまみでやってるから。」佳代子はビールをコップに注いだ。「あんたらしいね。明君に気をつかっちゃって言ってなかったの?流石だわ?言うか言わないかなあなたの自由だけど。今さらって所かな?明君は女の子うけしそうな顔じゃないから今になって有頂天になっているだわ?私なら黙っててあげるわよ。友情を壊さないわ?あんたは自分の判断でやりなさい。明君これから医者になる人だからあんたより上に立たせてあげなさい。貸を作りなさい。後で良い事があるかもよ。明君の専門は心臓外科でしょう?」母佳代子は自分の気持ちを正直に話した。「わかった。明は心臓外科だよ。俺か家族が心臓の病気になった時は心強いな?」忍は佳代子の目を見てニヤリ微笑んだ。「母ちゃん。コロッケ、ハムカツ上手かった。ご馳走様でした。」忍は合掌して水を飲んだ。「あんたはどんな彼女連れてくるのかな?楽しみにしてるね。お姉ちゃんの旦那はエリートで冗談通じないからつまらないくて!」母佳代子は忍の目を見て苦笑いを浮かべた。「俺も雅彦さん。苦手です。」忍も佳代子の目を見てニコリ笑った。「シャワー浴びて行くね。」忍は裸になった。それを見た母は「あんた良い身体してんね。アハハ!」佳代子は忍の背中を思いっきり叩いて笑った。そしてシャワーを浴びて出てくると滅多に着ないワイシャツを着て、グレーのスーツを羽織った。「あんた、飲んだら代行で帰ってらっしゃい!」佳代子は忍に声をかけた。「わかってる。」忍も返事をした。そして、忍はそそくさと車に乗り込んで出かけていった。松見公園前に着くと明は紺のスーツを着て待って居た。「明、待ったか?」忍は明に声をかけた。「嫌、今着た所だ!相変わらず駐車場いっぱいだな?今晩は代行捕まらないぞ?」明は忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。「忍、今晩、何時に終わる決めておこう。11時か12時か?どっちだ。」明は忍の顔を見た。「明日、授業だから10時にしてくれ!エマちゃんの顔を見れれば充分だ!」忍は明の顔を見てニコリ笑った。「早くねえか?いやど〜も!」明は忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。「悪いがそうさせてくれ。」忍は手を合わせ頼んだ。「わかった。エマちゃんに会って2〜3杯飲んだら終わりにすっか?わかった。」明は忍の目を見つめた。「じゃあ行くべ!今日は俺の奢りだから。」明は忍の顔を見てニヤリ笑った。「ごちそうさま。いつも悪いな!」忍が言うと「お互いさま。着いたカーニバル。」明はドアの前でスマホで電話をした。高そうな店だった。明の家は金持ちであった。不動産を親父がしていた。黒のドレスを着た女性がドアを開けた。「いらっしゃいませ。待ってたわ。アッキー」女性は明に抱きついた。すると忍の顔を見て「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。エマです。明さんにはお世話になっております。」笑顔で忍の顔を見た。「こんばんは。」忍は一言言ってエマの顔を見て優しく微笑んだ。「エマちゃん。こいつが例の佐倉急便の友達で今、大学生の忍です。俺も大学生だけど来年卒業すっから、忍は今年から大学生だから、パイロットの卵だぞ!」明はエマに忍を紹介した。その時、「アッキーいらっしゃい,いつもお世話になります。ママの涼子です。お初ですね。良い男だ事。アッキー、何処に隠していたの?いけずやわ?」ママが忍の顔をチラチラ見て優しく微笑んだ。「良い男だからあまり一緒に歩かないようにしてたの?大学の合格祝いに連れて来た。今日は時間がない。2〜3杯飲んだら帰る。」明は本音をチクリいれて話した。「明がエマちゃん推しだと言うので来ました。やっぱり明の見る目はあるなと思います。美人ですね。ハーフですか?」忍はエマの顔をジロジロ見た。「忍さん。有り難う!私、ハーフじゃありません。日本人です。」エマは忍の顔を見て優しく微笑んだ。「エマちゃんはハーフだよ。だってバングルズのボーカル、スザンナ・ホフスに激似だもん。そのキラキラした瞳が彼女と瓜二つだ。後でカラオケでバングルズのエターナルフレームを英語で歌うよ。多分聞いた事がある曲だと思う。だって今日の大学の授業日本語使えないからな英語で歌わせて下さい。練習の為に。」忍が言うとママがカラオケのコントローラを持って来た。バングルズのエターナルフレームをいれて忍にマイクを渡した。明がスザンナ・ホフスで検索するとスマホの画面に写真が出て来た。「あっ!似てる。明が叫んだ。やっぱり良い女だ。」明が言うとエターナルフレームの前奏が流れた。お店のキャストの女の子達が頷いた。「知ってる。」誰が言った。忍が歌い始めた。忍の声は透き通る声で聞き心地が良かった。皆から温かい拍手を貰った。「忍さん。歌お上手ですね。感動」エマがまず最初に口にした。「忍さん。当店で3本の指に入る上手さですよ。英語の歌では一番です。かつて、ホイットニーヒューストンの歌を上手く歌うキャストがいましたが辞めてしまったので忍さんが一番ですよ。」ママが忍の顔を見て優しく微笑んだ。「お前一段と腕上げたな?」明が忍の顔を見てニヤリ笑った。「英会話教室通ってから毎週日曜日に。先先に動かないと俺なんか駄目だから皆より早く努力しないとイケない。お前にも負けてるしな?色んな面でな?お前来年から医者だろう?筑波大学付属病院勤務か?」忍が言うと「まだ、決まってない。近いから希望は出す。」明は忍の目をじっと見つめた。「そうか?卒業が決まらないうちは無理か?」忍が言うと明は頭をかいて、照れ笑いを浮かべた。3杯目のブランディを空けた。「俺も歌うか?Xジャパンのエンドレスレイン。エマちゃんいれてくれないか?」明はまた、難しい曲を選んだ。忍はいつもの事だと心の中で笑った。いつも対抗してくるのが明だった。「ママ代行読んでくれないか?」明はママの顔を見た。「お早いおかえりだこと。」ママが明の顔を見た。前奏が始まった。「すいません。明日、俺が授業があるもので」忍が涼子ママの顔を見て優しく微笑んだ。明が歌っている最中、忍がエマちゃんの耳元で「これから、明を頼んだ」と小声で伝えた。エマは首を縦に大きく頷いた。明の歌が終わって皆で拍手を送った。忍は「やっぱり駄目か」と心の中で呟いた。駄目な奴だなんで俺に張り合うかなあ?と思いブランディを空けた。「明さん。代行が来ました。有り難う御座いました。」ママが言うとキャスト全員で「有り難う御座いました。またのお越しを。」出口にならんで見送ってくれた。忍の童貞話はすっかり忘れてしなかった。明も1回もその話をしなかった。忍は代行に乗って胸を撫でおろした。「明、エマちゃん。良い女だなあ?逃がすなよ。あれは上物だ。あのスザンナ・ホフスに似てるし最高だよ。見た目は内面は分からなかったけど?お前が好きになるくらいだから間違いないだろう。頑張れ結婚まで行きますように。」忍は明の横顔を見た。そして、帷の中を代行の軽自動車は猛スピードで走った。



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