第11章 大学を卒業して
アメリカから帰って来た年の夏休み、忍はバイトで貯めたお金でアメリカロスアンゼルスに飛んだ。シャーロットに言ったらユナイテッド航空の予約をとってくれた。エコノミーであったが大変手厚いもてなしをキャビンアテンダントから受けた。この時、初めてシャーロットの父親がユナイテッド航空のCEOだと知った。それと母親のマーガレットはユニバーサル映画のCEOだと言う事もパンフレットで知った。忍はまるっきり知らなかったから驚いた。快適な空の旅であった。あっと言う間にロスアンゼルス空港に着いた。シャーロットが送迎デッキにプラカードを持って立っていた。「忍、こっちこっち」シャーロットが叫んでいた。忍は近寄り「ただいま。」シャーロットの顔を見て優しく微笑んだ。「おかえりなさい。」シャーロットも優しく微笑んでふたりは抱き合った。旅行バックを2つ持っていた為1つをシャーロットに渡した。車まで歩くとトランクに荷物を入れてふたりは車に乗ってロスアンゼルス郊外の豪邸の立ち並ぶ地域に入って行った。デカい門の前で車が停まると門が自動で開いた。白いデカい家だった。門を入って何分間走ったかさだかでないが20分走って玄関に着くとお手伝いさんや料理人が15名くらい立っていた。「いらっしゃいませ。」全員が一斉に言ったから合唱になっていた。「こんにちは!お世話になります。」忍は全員の顔を見渡し深々とお辞儀をした。「シャーロット、このバッグには日本のお菓子が入っています。皆さんに分けてあげて下さい。」忍はシャーロットの顔を見て優しく微笑んだ。「わかりました。父親に言ってみます。勝手にあげられないので。」シャーロットは忍の顔を見てニコリ笑った。「忍さん。こちらに座りコーヒーでもいただきましょう。マルコ、コーヒー2つお願い。」シャーロットはお手伝いのマルコの顔を見て優しく微笑んだ。すぐにマルコはコーヒーをシャーロットの前と忍の前に出した。「シャーロット、君の父親はユナイテッド航空のCEOで母親はユニバーサル映画のCEOだったんだな?飛行機内のパンフレットでわかった。凄いじゃないか?俺とは釣り合わないじゃないか?うちは貧乏だから父親はサラリーマンだし、母親はパート従業員だしな家は小さいし、付き合い辞めた方が良いのかなあ?なんて。」忍がそこまで言うとシャーロットが遮った。「忍、家が一緒になるわけじゃないからそれは気にしないでよ。パパもママも賛成してくれているんだから。お金、ないよりあった方が良いじゃん。」シャーロットは忍の顔を見て優しく微笑んだ。「でも、違い過ぎるのも気後れするな、俺も親父も母ちゃんも姉ちゃんも。まあ、みんなに言ってないけど反対されるかもしれない。あまりにも家の各が違い過ぎてさあ?それから君は将来どちらかのCEOになるんだろう?」忍は複雑な表情でシャーロットを見た。「今からそんな事、決めないでよ。私の人生なんだから、よくよくはあなたと二人で日本の田舎に住んでも良いんだから。ね。」シャーロットは笑顔で忍の顔を見た。「そう言う事はおいおい話して決めましょう。」シャーロットは忍の顔を見て優しく微笑んだ。「今晩、君の父親と母親には言うつもりだよ。」忍は真剣な表情でシャーロットを見た。「お互い大学後1年で卒業だね。パイロット試験合格すれば良いのだけど?単位とれてるかな?私は取れている。テストの成績も悪くないから。」シャーロットは忍の顔を見て胸を張った。「忍、あなたは?どうよ。」シャーロットは忍の顔を覗きこんだ。「俺か?俺もバッチリださぼらず授業には出たから。テストもバッチリだ!」忍はシャーロットの顔を見て満面の笑みを見せた。「お互い、パイロットの資格を取って卒業出来そうね。後1年頑張りましょう。そして、パパの会社のパイロットとして採用されましょう。どちらかが機長でどちらかが副機長で世界をフライトしましょう。素敵ね。そんな夢。実現させたいわ。」シャーロットは忍の顔を見てコーヒーを一口飲んだ。「楽しみだね。実現されるから!」忍は、夢を語った。後日、もう一つ夢が増える事となる。「シャーロット、ピアノ弾いても良い?」忍がコーヒーを一口飲んで尋ねた。「いいわよ。是非聞かせて頂戴。」シャーロットは忍の顔を見た。「ベートーヴェンのピアノソナタ悲壮第2楽章を弾きます。」忍はそう言ってピアノの前に座ると指を鍵盤にかざした。譜面はない。暗譜してある。シャーロットが拍手をするとお手伝いさん達も拍手をしてくれた。演奏が始まると素敵な音が部屋の中に響いた。「うお~」とお手伝いさんの中から声が漏れ演奏は進んだ。静かに演奏が終わるとまた全員で拍手をしてくれて盛り上がりアンコールを強請られた。「次は、ベートーヴェンピアノソナタ第17番テンペストです。」忍は演奏を始めると全員が拍手で迎えてくれた。なかなか激しい曲なのでお手伝いさんも身体でリズムをとっていた。演奏が終わると拍手が鳴り響いた。「シャーロット、このピアノ調律しないと駄目だな?音が狂っているぞ!」忍はシャーロットの顔を見て優しく微笑んだ。「お嬢様、調律師頼みますか?」お手伝いのマルコがシャーロットに話しかけた。「そうね。しばらくやってないから頼んで頂戴。」シャーロットがマルコの顔を見た。「かしこまりました。」マルコがシャーロットの顔を見て頭を下げた。すぐに電話をして会話していた。マルコが電話を切ると「お嬢様、明日の午後になるらしいです。」マルコが報告をした。「わかった。明日ね。有り難う。」シャーロットはマルコの顔を見て背中を2回叩いた。ピアノ演奏は終わった。そして、二人は2階のシャーロットの部屋に移動した。二人の後からマルコがコーヒーとお菓子を持って二人を追いかけ三人はシャーロットの部屋に入った。マルコはコーヒーとお菓子をテーブルの上に置くとすぐに出て行った。二人は自分の話しをし始めた。シャーロットは小さい時から大事に育てられて来た事がわかった。男性経験もないと言っている。でも世間知らずではないのは日頃の行動からわかっていた。忍はシャーロットを心から愛していた。二人は唇を重ね裸になっていた。ベッドまでは早かった。二人は身体を一つにした。シャーロットは初めての体験で身体を震わせていた。二人は「愛してる。」とだけ呟いた。その他の言葉はなく見つめ合った。忍は外国人とは二度目だった。同級生のイタリア人一度経験があった。忍は金髪美女が好物だった。その後は何もなかったように振る舞ったがシャーロットは帰って来た母親マーガレットには初体験を話した。パパには言わなかった。忍は避妊具はつけていた。日本から持参していた。万が一の為持っていた。何なかったように振る舞った、二人だったがお手伝いさん達にはバレていた。皆、クスクス笑って居た。なんとなくよそよそおしかった。忍は夏休み中、タッカー邸にお世話になった。お土産の東京駅で買ったお菓子は評判がよかった。父親が好きな東京バナナがあったから最高だった。北海道のアンテナショップで買った白い恋人も母親に好評だった。お手伝いさん達もお裾分けをしてもらって食べて居た。忍はロスアンゼルスの観光やMLBを観戦したり、ユニバーサル映画のスタジオを見学したり封切前の映画を観たりユナイテッド航空の本社に行ったりした。セスナ機をチャーターして大空を駆け巡った。忘れられない夏休みになった。シャーロットが側に居るだけで幸せだった。が、誓いを破ってしまったから後悔していた。そして二人の夏休みは終わった。シャーロットが日本までのチケットを取ってくれた。ユナイテッド航空成田行きだった。二人はロスアンゼルス空港でさよならをした。今度会うのはシャーロットに結婚を申し込む時だった。家族全員で渡米する。こうして、その後1年しっかり勉強しパイロットの資格をとる事に成功した。グラス全員パイロットの資格を取った。全員就職活動を経て自衛隊には塚原君、間根山君2名が戦闘機パイロットになった。JALには倉持さん。白戸君、松山君3名が入社し旅客機のパイロットになった。菊川さんと青山君はANAの旅客機のパイロット、夏川さんと秋元さんはアメリカン航空の旅客機のパイロットに、女性パイロットを積極的に登用していた。忍はユナイテッド航空の旅客機パイロットになった。皆優秀な成績で卒業した。シャーロットとミアもユナイテッド航空の旅客機パイロットになった。忍と同僚だった。




