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グレイズ・オブ・グローリー blue sky blue  作者: やましたゆずる
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第1章 自動車解体屋で見つけた凄いお宝

私にとって、14作品目がいよいよ始まります。楽しく読んでいただけると幸いです。使い古した世界の主人公の沢井星璃が再登場いたします。

忍が高校の頃、原付で走っていると意外な物を見つける。日の丸の描かれた飛行機の翼だった。なんでこんな所にあるのか?不思議であった。場所が場所だけにすぐに零戦の翼だと忍はわかった。場所と言うのは茨城県土浦市で国道125号沿いで1キロも走れば昔予科練の飛行場があり、今は阿見武器学校と呼ばれていたからだった。本物だと思いしばらく眺めていた。工場のオジサンに売ってくれと頼んだが200万円なら売ると言われた。忍は時々その翼を見に来るようになっていた。そして、半年が過ぎたある日の午後、近くの国民宿舎の公園の芝生山に寝ていたら奇妙な夢を見た。映画で見る特攻隊の服を着た自分が上官らしき人物に怒られている姿だった。夢の中の忍は何故怒られているかわからずに居ると「何?ボォーっと零戦を見てんだよ!」と隣の同僚に耳打ちされ、ハッとして上官の目を見て話の内容を聞いていた。自分が訓練中にミスったらしい。忍は思い出した。あの翼は零戦の物だと。夢の中は谷田部海軍飛行場であった。1944年昭和19年だった。そんな夢の途中で雨に降られ飛び起きた。夢ではフィリピンに出撃し、アメリカ軍の機銃に撃たれ海に墜落した所だった。それからの事、どうしてもあの翼左右が欲しくて引き取りたくて高校を卒業するとその頃金になる仕事と言えば佐倉急便の運転手しかなかった。噂ではフェラーリを買ったツワモノも居ると聞かされいたからで頑張れば200万円と言われたあの翼を買えると考え、佐倉急便に就職した。約4年間、朝から晩までトラックを運転し、営業し、荷物を宅配し続けて200万円を貯めた。佐倉急便のトラックで現金を持って解体屋に行くとあの時の親父が出て来た。「あんたか?覚えてるよ。零戦の翼、あんたの為に取ってあるから心配するな、あの後、何人かがほしいと頼みに来たがすべて断った。俺はあんたに売りたかったからだ!あんた、良く裏に立てかけある翼、こっそりと見に来ていたもんな?俺はそれを知っていた。だからあんたに売りたかったんだよ。500万円で売ってくれと言う客も居たがな!絶対にあんたが買いに来ると信じていたからなとっといた。お金貯まったんだな?佐倉急便で頑張ったみたいだな?あんたなら100万円でいいわ!持っていけ!トラックに積むの手伝うよ!」オジサンは翼を丁寧にトラックに積んでくれた。忍は翼が意外に軽い事に気がついた。積み終わると「100万円でよろしいんですか?」忍はオジサンの目を見ると「構わん。確かに100万円ある。毎度あり!もう来ないのか?たまには顔出せよ。お茶くらい出すから?あんた名前は?なんてんだい?」オジサンは名札を見た。「古宇田忍【こうだしのぶ】さんか?わかった。有り難う!またな。仕事頑張ってな!」オジサンはそう言うと出涸らしのお茶を淹れてくれた。「古宇田さん。あの翼どうすんだ?」オジサンは忍の目を見てニヤリ微笑んだ。コンテナ倉庫に保管してたまにニヤニヤしながら見るよ。社長さん。あの翼、旧海軍零戦の翼ですよね?」忍は社長の目を見つめた。「俺は、知らん。俺の親父からこの工場を引き継いだ時にはもうあったからな?出所はわからんかった?そこの補給所から持ち込まれたんちゃうか?昭和45年からこの工場あるからその辺からあるんじゃないか?あんた、そこまで調べたんだ?よかった、あんたに買ってもらって!」社長は忍の目を見てニヤニヤしながらお茶を飲んだ。「社長、俺、この翼を見てから奇妙な夢を見るようになりましね。特攻隊に配属され、谷田部海軍飛行場で飛行訓練をしてフィリピンへ出撃したんですかアメリカ軍の機銃に撃たれ墜落して海の中で溺れて死んで行く夢を何回も見るんです。それが綺麗な海なんですよ。段々、機体と一緒に海の中の深い所に落ちて周りは真っ暗になり息ができなくなり死んだと思った瞬間に飛び起きるんですが、零戦の中から見た風景はそれは綺麗で忘れられなくて、実際に見て見たいと思って俺の人生はこんなトラックに乗って終わりたくないと思い始めたら空を飛びたくなってしまい。だから俺、佐倉急便辞めて大学に通ってパイロット目指します。この翼のおかげです。人生変えていきます。東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学の入試この間やってきました。多分、受かったと思います。発表は来週です。駄目なら直接アメリカに飛びます向こうで免許取りますから。金はあります。100万円値引きしてもらったし。社長有り難うございます。」忍は社長の顔を見てニコリ微笑んだ。「そうか?パイロットかあ!そりゃあ楽しみだな?古宇田さん。今、自宅は?」社長が忍の顔を見た。「昔はこの上の千鳥が丘に住んでいました。今はつくば市です。」忍は社長の顔を見てニヤリ笑った。「そうか?つくば市か!ちょっと遠いな。お買いあげ有り難う御座いました。」社長は忍の顔を見て微笑んだ。「これにて失礼致します。有り難う御座いました。また、来ます。ご馳走様でした。」忍は社長の顔を見て微笑んだ。「また、来いよ。頑張れ!ほな、さいなら!」社長は忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。忍はトラックに乗って帰路についた。友達が経営するコンテナ倉庫に9メートルの翼の入るコンテナ倉庫が丁度空いていた。トラックから二人で下ろすとカーシャンプーで綺麗に洗った。長年の雨風にさらされていたので少し汚かったのでブラシを使い友達も手伝ってくれて、綺麗になって、翼が蘇った昭和19年当時の色だった。夢の中での翼はアメリカの機銃攻撃を受けて穴が沢山空いていた。火は吹かなかったが翼は半分に折れてなくなっていた。操縦桿がまるっきりきかなかった。青い空と青い海が綺麗場所で死ねた事に満足していた、夢の中の自分がそこに居た。「なぁ!忍よ。この翼どうするんだい?コンテナ倉庫料金月3000円だけどこの間言ったとおり年10000円でいいぞ!」友達の明は忍の顔を見てニヤリ笑った。「有り難う助かる。しばらくは学生だからなあ!宜しく。」忍は明の顔を見てニコリ笑った。「ところで試験は受かったのか?」明は忍の目を見つめた。「嫌、来週にはわかるけど多分大丈夫だ受かっているよ。もし、受かったら毎日、神奈川県平塚市まで通うしかない。バイトしなくちゃなぁ?でも勉強しないとパイロットにはなれないし。どうするべ!貯金はあるがアメリカ留学しないとイケないらしい。だからあまり使えないのが現実。大変だっぺ?」忍は明の目を見てニヤリ微笑んだ。「なんか、忍はこの翼にとりつかれちまったな?お前がパイロットかあ?笑えるな!頭は良いから大物になるだろうと思っていたが大学にも行かず佐倉急便で働くと聞いた時は驚いた。それもこの翼の為と聞いた時はもっと驚いた!お前は努力家で夢を実現されるからもっと驚くよ。そんで彼女は出来たのか?俺は松見のキャバ嬢と良い仲になってよ。今、付き合っている。今度、合わせる、大学合格したらお祝いさせてくれ!エマちゃんの店飲みに行くべ!」明は忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。「俺は居ねえ!そんな暇ねえから、明、童貞捨てたのか?」忍は明の顔を見てニヤリ微笑んだ。「うんだ!捨てたわ!パンパーンとな!」明は身振り手振りを添えてニヤリ笑った。「そうか?良かったか?」忍は明の顔を見てニヤニヤした。明はコンテナに鍵をしてその鍵を忍に渡した。「明、有り難う。会社に帰ってトラック置いて家に帰るわ。合格したら知らせるから酒おごってくれよ。エマちゃんに会えるの楽しみにしてる。じゃあなあ!またなあ!」忍は明の顔を見てニヤリ笑ってトラックに乗り込んだ。「連絡まってるぞ!うんじゃなあ!」明は忍のトラックに手振り見えなくなるまで立っていた。会社に帰ると集荷した荷物を下ろしてマイカーのプリウスで自宅で両親と住む実家に帰ったら「ただいまかえりました。」忍が玄関を入って声をかけた。「忍!お疲れ様。東海大学から封書が届いているわよ。」母が怒鳴った。「なんだろう?合否は来週なのになあ?」忍はブツクサ言いながら封書をハサミで開けた。「かあちゃん。合格だってさあ!やった!夢が叶そうだ!」忍は飛び跳ねてよろこんで母と抱き合ってハグをしていた。が、すぐ離れた。「何、あんた、私に抱きついてキミ悪いわぁ。」母は苦笑いを浮かべ「お祝いしなきゃね。何食べたい。お父さんが帰って来たら一緒に行こう!」母は忍に問いかけた。「たまには高級焼き肉なんか良いなぁ。」忍が言うと「それじゃあ!せんりゅうに行こうか?」母が忍の顔を見てニヤリ微笑んだ。「良いね。」忍が言うと母は冷蔵庫から瓶ビールを取って栓を開けてコップに注いだ。つまみは柿ピーだった。「合格おめでとう。やっぱりあんたは出来る子だわ!お母さんは心配してなかったよ。竹園高校卒業時も先生は、筑波大学は行けるって言っていたからね。それなのに佐倉急便に就職しちゃて。先生はもったいないって泣いていたわよ。市原明君は筑波大学医学部出て医者になるんでしょう?忍はどうしてかな?なんてお父さんと話をしていたのよ。そしたらパイロットになりたいなんて急に言い出すからビックリしちゃった。これで一歩前進ね。頑張りなさい。お金の心配はいらないわよ。お母さんもスーパーでのパートのお金貯まったから。」お母さんはそう言うとビールをグビーって飲んだ。「母ちゃん。ビール注ぐよ。なんか苦労かけるな?でも将来は面倒みっからな安心しなよ。」忍は母の顔を見てニヤリ微笑んだ。「期待してるわよ。姉さんの陽子はお嫁に行っちゃたからね。」母は忍の顔を見てニヤニヤしながら柿ピーを食べた。古宇田家はつくば市の観音台にあった。谷田部海軍飛行場のあった場所の隣だった。なにかの因縁があったに違いない。」父竜也が忍の顔を見てニヤリ笑った。父は農林試験所で働く課長だった。母佳代子は谷田部のスーパーで弁当やコロッケなどを作るパートをしていた。いつも油臭かった。今日はシャワーを浴びたのか臭くはなかった。三人は夢中で焼き肉を食べた。「なあ、忍、大学は家から通うのか?」父が忍の顔を見た。「そのつもりだ!下宿は考えてない。毎日平塚市まで通うつもりです。牛久まで車で行って、常磐線で通うつもりです。それからバイトもします。」忍は父の顔を見つめた。「そうか?もう考えているんだな!偉いなお前は!なんでも先の事考え行動するよな!」父は忍の顔を見てニコリ微笑んだ。「パイロット試験落ちたらどうする?」父が忍の顔を見た。「そしたら、パイロットは諦めるしかないかな?航空会社に就職し整備とかにまわるよ。アハハハ!でも、落ちる気でやるヤツはいないよ。親父?俺が落ちると思う。だって、夢の中でフィリピンまで零戦飛ばしているんだぞ?撃たれて墜落しちゃたけどな?」忍は父と母の顔を見て笑った。「そうか?ポジティブだな!アハハハ!」母は忍の顔を見て大声で笑った。「お前は夢の中で死んだのか?」父が忍の顔を見つめた。「わからない。死ぬ前に飛び起きるから、でも死んだと思うよ。身体が段々冷たくなって行く感覚と眠くなる感覚はあるから。零戦と一緒に死ねるんだからそれはありだよな!」忍は父の顔を見た。「リアルだな、その夢。」母は何故か涙を流し忍の顔を見た。「そうやって、若い男の子が死んで今の日本を守ってくれたと思ったら涙が出て来ちゃって!そんな事を今の日本人は忘れちゃている特に政治家は駄目ね。お前達が行けって言いたいよ。あたしゃね!」母はビールを飲みながら怒った。「生ビールもう一杯」母は、店員を呼んだ。「あなたは飲む?忍はどうする?」母は二人に聞いたが二人は首を横に振った。「忍、シマチョウ食べないか?」父が残っているシマチョウを見て忍の顔を見た。「貰っていいの?食べる。」忍は父の顔を見てニコリ微笑んだ。「母ちゃん。俺も飲むから頼んでくんないかな?」忍は母の顔を見た。「はい。生ビールお待ち!」店員が生ビールを持って来たと同時に「もう一杯お願いします。」母は店員に頼んだ。忍と佳代子は残ったお肉で生ビールをさらに飲み続けた。「店員さん。タクシー呼んでくれない?それと駐車場の白いクラウン一晩置かせて明日朝とりにくるから。」佳代子は店員の顔を見てニコリ微笑んだ。「はい。わかりました。タクシー呼びます。車は大丈夫ですよ。」店員は佳代子の顔を見てニコリ笑った。忍は、ビールを飲み干すと「ご馳走様でした。」合掌した。父も同じタイミングで「ご馳走様でした。」合掌してをした。母佳代子は網の上に黒焦げになった、肉を口に入れるとビールで流し混んで「ご馳走様でした。」合掌した。そのタイミングで「タクシーが見えました。」店員が呼びに来た。三人は席を立って佳代子が会計を済ませ。三人はタクシーに乗った。行き先を告げた。「母ちゃん。ご馳走様でした。上手かったよ。いつも油まみれでご苦労さまです。」忍は佳代子の横顔を見た。「アハハ!まあ、大変だけど好きだからやってんだよ。そうすりゃ、こうやって焼き肉も食えるだろうよ。開店して、一番の客がコロッケを5個パックにいれて買って行ってくれた時、そりゃあ!嬉しいんだよ。母ちゃんの揚げたコロッケでお昼にすんのかなぁなんて思ってさあ!」佳代子は忍の横顔を見た。「母ちゃんの揚げたコロッケ手作りで上手いものなあ!」忍は佳代子の横顔を見た。帰路に着いた。「スーパーのコロッケは冷凍だけどね。大量のラードで揚げるから美味しいんだよ。家だとサラダ油だけどね。」佳代子は笑った。

谷田部海軍飛行場の後地には現在農林団地が立っていて春には桜が綺麗な名称になっております。なんか、滑走路を思い出させるような真っすぐな道路が目に付きます。名残の跡かも知れません。常磐道に架かっている橋に谷田部飛行場と烙印がされています。記念碑もあります。

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