賢者の贈り物のオルゴール
『第7回小説家になろうラジオ』投稿作品です。
サクッと読める、ボーイ・ミーツ・ガールの短編です。
ジータにプレゼントをしよう。
私は15歳だ。けれど年頃の女の子らしい事もせず、村のはずれの森で狩りばかりしている。
大人達は怒るけど、村の幼馴染の男の子のジータだけは違う。
山で拾った獣の角や、黒いキラキラした石を、笑顔で受け取ってくれる。
「パメラ、ありがとう」
と言ってくれる。
同じ歳なのに、賢くて穏やかなジータ。
そんなジータにお礼をしたかった。
いつものように狩った獣を街に売りに行った。
店番の娘の手から、綺麗な音がした。
「オルゴールよ。王都に住んでいるお祖母さんが、贈ってくれたの」
白い箱で、外側は金と銀色の金属で細工が施されておりキラキラしていた。
ジータは細工物を作るのが好きだ。これをあげれば喜ぶに違いない。
それから毎日、森で獣を狩って店に売りに行った。
オルゴールは店の娘が、王都の祖母に頼んで取り寄せてくれた。
獣を売った金額が目標に届く頃、ちょうど王都からオルゴールが届いた。
早速、ジータの家に行った。
「はい、これをあげる! 」
私はジータに白い箱を渡した。
「オルゴールって言ってね、箱を開けると綺麗な音がするんだよ。ジータ、こういう細工物好きでしょう? 」
ジータはびっくりしたみたいだ。
それでも、いつものように笑顔で受け取ってくれた。
「ありがとう。ちょっと待ってて」
ジータは家の奥に引っ込んだ。と思ったら、すぐに出てきた。
茶色の木箱を持っている。
「はい、これをあげる!」
ジータから手渡される。
木箱は表面に葉が彫られており、白い小さな可憐な花とキラキラ光る華やかな黒い花で彩られていた。
「これもオルゴールだよ。パメラに貰った鹿の角と黒曜石で作ったんだ」
よく見ると白い花は春先に拾った獣の角で、黒い花は森の斜面で見つけた綺麗な石だ。
「いつも、ありがとうパメラ。男のくせに、狩りもせず家で細工物ばかり作っている僕を応援してくれて」
ふたを開ける。綺麗な音……
気が付くと、木箱を……ジータがくれたオルゴールを抱きしめていた。
ちゃんと顔を見て、お礼を言わなきゃ。けれど泣き顔をジータに見せたくない。
「あ……ありがとう……」
でもきっとジータなら、嬉しいのに泣いてしまう。そんなチグハグでヘンテコな私でも許してくれる。そう思えた。
毎年ですが、やはり1000字で物語を作るのは難しかったです。
最初の案では、ジータが主人公でした。しかし彼は独り言が多いタイプで、1000字に全く収まらなかったので書き直し。竹を割ったような性格のヒロイン、パメラを主人公にしました。
パメラでダメだったら、恋バナ好きの店の娘が語り部として主人公になるはずでした。
三人称が書ければいいのですが……(;^_^A




