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(株)玄理研の奮闘記録(AI‐βとの対話)  作者: 嵗(sai)


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第2章 活エクセル革命 ― 現場からの反撃 ― 第3節 真司と飛鳥の“実践現場” ― ファイル地獄の突破戦

***

では続いて、第2章・第3節――真司と飛鳥の“実践現場” ― ファイル地獄の突破戦を執筆します。

この節は「活エクセル」の思想が現場で“試される”初めての章です。

理論と現実のギャップ、職場の混乱、そして“考具”を使って状況を突破する過程を描きます。

真司と飛鳥がチームとしての成長を見せると同時に、

AI(衛破システム)との関係性にも伏線を張る場面になります。

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第2章 活エクセル革命 ― 現場からの反撃 ―

第3節 真司と飛鳥の“実践現場” ― ファイル地獄の突破戦

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昼下がりの営業フロア。

モニターの光が並び、ファンの音が一斉に唸っている。

だが、誰もが画面の前で動けなくなっていた。

「……これ、どのファイルが最新なんだ?」

「“営業報告_最終版”が3つあるんですけど。」

「“最終_改”と“最終_確定”と“最終_真”……どれが本物?」

飛鳥がため息をついた。

「……まさに“Excel地獄”ね。」

真司がうなずく。

「理都子さんの言ってた“死にエクセル”って、これのことですよね。」

「しかも保存フォルダがバラバラ。

 “営業フォルダ”“社内共有”“旧データ”……

 どれも中身が違う。これ、誰が管理してるの?」

「全員、少しずつ……ですね。」

「つまり、誰も管理してないってことね。」

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美郷部長が現れた。

「どうしたの? 顔が青いわよ。」

「部長、営業報告の集計が……統合できません。」

「は? 集計シートあるでしょ?」

「はい、でもそれが“6種類”あります。」

美郷は一瞬固まり、次の瞬間、机を叩いた。

「誰がこんな構造にしたの!?」

真司が小さく手を上げた。

「……多分、時期ごとにフォーマットが変わってます。

 担当が交代するたびに、シートの構造も変わってて……。」

「はぁ……もう、まるでパズルね。」

飛鳥が苦笑する。

「いっそAIにやらせたらどうです?“衛破”とか。」

「それは最後の手段よ。

 AIは集計は得意でも、“意味”までは読まない。」

美郷は真司に視線を向けた。

「あなた、“活エクセル”講義受けたでしょ?

 あれ、現場で試してみなさい。」

「えっ、僕がですか?」

「理論は聞いた。次は実践よ。」

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その夜。

真司と飛鳥は残業フロアで机を並べていた。

散乱するファイル、開きっぱなしのExcel。

「……これ、どこから手をつける?」

「まず、“入力”から整理です。」真司は言った。

「I/BB/Oモデルの“Input”ですね。

 フォーマットを統一しないと、計算が壊れます。」

「なるほど、理都子流ね。」

二人は、ひとつずつファイルを開き、構造を比較した。

列の並び、関数の使い方、日付のフォーマット。

まるで考え方の違いそのものが可視化されていくようだった。

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数時間後、真司が一枚のメモを作った。

【営業報告統合ルール案】

1.列の順序を統一(顧客名→日付→担当者→売上)

2.入力チェック列を追加(空欄エラー防止)

3.シートのヘッダに“版情報”を埋め込む

4.共通の命名規則を適用(例:YYMMDD_顧客_担当)

5.集計マクロは“ブラックボックス”化して再利用

「これで、“I”が整いました。」

「次、“BB”ね。」飛鳥が腕をまくる。

「分析の部分。ここを構造化するんでしょ?」

「はい。SUMやAVERAGEだけじゃなく、条件分岐を入れます。

 IFとVLOOKUPで顧客ごとの状態を見える化します。」

飛鳥が驚いたように画面を覗く。

「……あんた、意外とやるじゃない。」

「いえ、理都子さんの講義ノートを見てただけです。」

「素直だねぇ、ほんと。」

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やがて画面上に、統合版シートが完成した。

美郷部長の指示に沿いながらも、見やすく、動的に更新される構造。

ファイルは軽くなり、関数は最小限。

「これが、“活エクセル”……?」

「まだ途中です。でも、“生きてる”感じはしますね。」

真司は画面を見ながら呟いた。

「これなら、誰が開いてもすぐ理解できる。

 考え方を“共有”できるシートです。」

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翌朝。

営業フロアで、真司が作った統合版が配布された。

「おい、これ……昨日の混乱が嘘みたいだぞ。」

「自動で集計される!」「更新が一瞬で終わる!」

美郷がファイルを確認して、静かに頷いた。

「いいわね。数字が“語ってる”。

 これなら、次の会議に出せる。」

飛鳥が笑った。

「“Excelが語る”……ちょっと詩的すぎません?」

「詩的なくらいでちょうどいいのよ。

 データの向こうに“考えた人間”が見えるんだから。」

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その夜。

理都子の研究室にて。

玄道社長が、真司たちの統合シートを開いていた。

「……たった二人で、ここまで整理したのか。」

理都子が頷く。

「“I/BB/O”を正確に理解しています。

 人の思考をファイルに刻む――それが“活エクセル”の原型です。」

玄道は画面をじっと見つめ、低く言った。

「このフォーマット、AI衛破の思考構造と似ているな。」

「ええ。」理都子は微笑んだ。

「AIが学習する“論理構造”を、人間が自然に再現している。

 つまり――“人間の知”が、AIの思考を追い越し始めたということです。」

________________________________________

(第3節 終)

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次の 第4節「情報技術部3人娘の“現場支援班”始動」 では、

技術部がこの“活エクセル実践”をシステム全体に展開するフェーズに入り、

内部AI(衛破)と人間チームの連携が具体化していきます。


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