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第3話 来週、戦いだって

 このスーツケースはさっきの人が置いていったのか?ということは、先回りしたということか、でも抜かれた? なんで住所しってんの…

 とか、ぼんやり考えていると、急に右手の指輪が熱を持ちだした。

 すると、玄関のスーツケースが突然ガバッと開いた。


 もう、考えるの面倒くさい。女の言っていたことはおそらく本当だったんだ。


 開いたスーツケースの中を覗き込むと、黒色で光沢のあるコスチュームとこれも黒色のヘルメットが入っていた。

 つまり、

 もう、

 これは本格的にヒーローに選ばれたということか?

 

 今まで就職試験は書類選考で落とされ、バイトの面接も何度も外国人に負けている。ドラマのエキストラはバイトでやったことはあるが、セリフも役名もない通行人で何時間も待たされて給料は数千円で割りに合わなかった記憶しかない。


 そんな僕が、子供の頃に憧れたヒーローにえらばれたというのか。

 初めてジンワリと感慨が心の底からわいてきた。


 でもそんなものに応募した記憶はない。

 さっきあった女の言うように何の相談もなく一方的に、選ばれたのだとしても、なんで赤でも、青でもない色。

 僕の名前『黒田至恩』。その通りの安直な黒色。

 で黒って強いのか? 何番手? 

 そもそもヒーローって何をすればいいんだ?


 スーツケースからコスチュームを持ち上げてみると、その下にスマホが置いてあった。

 手に取ろうとすると突然スマホが鳴った。


 表示には『レッド』と出ている。

 スマホは鳴り続ける。


 僕はこういう場合、気になって電話に出てしまうタイプだ。


「はい、黒田ですが」

「ようこそブラック! 仲間になってくれてとても嬉しいよ」

 いきなり、爽やかな声が聞こえてきた。表示されたレッドがこの人物なのだろう。

「最初は俺も結構悩んだから、今の君の戸惑いは分かるから、何かあったら話聞くよ」

「えっ?」

 なんか知らないがいきなりマウント取られた。

「早速だけど、週明けの14日に怪人との戦いあるので、空けといて」

 会ったことない人に、いきなり戦いを告げられた。

「あのぉ、怪人との戦いって日付決まっているんですか?」

「当たり前だろ。場所と時間はそのうち送られてくるので見逃さないように、あと分かっていると思うけど、君は僕のチームの追加戦士なので、余計な邪魔はしないでね」

「追加ってどういうことですか?」

「それはやりながら分かるよ。それまでにルールを読んでおいて、じゃあね」

 軽い感じで一方的に電話が切れた。


 ヒーローって、やりながら分かるものなのか?


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