8
あっという間に8時になった。
オークがそろそろ上がりだといって、ギルチャ終了を告げる。
オーク『じゃあな』
フォックス『楽しかったよ~』
アリス『また今度ね』
テルー『皆さんありがとうございました』
ウルフ『またな!』
ギルチャのウィンドウから退出が表示されると、ルルちゃんのところにチャットを立ち上げた。
感想を聞きたかったのもあるし、ルルちゃんとまだまだ話をしてみたかったんだ。
『ルルちゃん、ありがとうな。楽しかったよ』
すぐ反応があった。
『ウルフさん、こちらこそありがとうございます。はじめてだったけど、面白かったです』
『俺だけじゃなくルルちゃんもいっしょだったらもっと楽しいと思ったからさ。よかった』
『ケガのこと、大変でしたね。それなのに私のことまで気にかけてくれて』
『いやいや、俺がやりたかっただけだから。もちっと、つきあってくれん?まだビール残ってるし(笑)』
『酔ってないんですか。私は酔いましたよ』
『なになに?酔ったの?ガチで飲んでんの?えー?』
『結構飲みましたよー』
『くぅ。酔ったルルちゃんみたいぞー』
『みてどうするんですー』
『もちろん拝む!』
『じゃぁいいですよぉ(笑)』
いきなりルルちゃんの画像が送られてきた。
マジか?
言ってみるもんだな!
『ルルちゃんか!ホントだ!赤くなってるなぁ!』
だが、その後はいくら待ってもルルちゃんから反応が返ってこない。
『ルルちゃん?ルルちゃん????おーーーい?』
酔ったといっているからきっと寝落ちしてしまったんだろうな。
大丈夫かな?
風邪をひかなきゃいいんだけど。
『起きたらライン入れてねぇ』
俺のIDを書いておいた。
このオフ会で今までよりぐっと近くなった気がする。
ラインでも話せる関係になればもっといい。
初めてみるルルちゃん。
真っ赤な顔をしてニッコリしている。
なぜオフ会に参加したがらないかわからないけれどそこそこ可愛いと思う。
ルルちゃん画像はしっかり保護して保存した。
いつかどこかであえたらいい。
色々あったけれどとりあえずオフ会は成功だったよな?
自己満足だけど、次回もオンライン参加の企画をたてよう。
ところがその日からルルちゃんはTDGにログインしてこなくなった。
『ライン、まだかな?』
数日たってもルルちゃんから返事がない。
『あれ?TDGにも来てないの?どうした?』
『お~い、ルルちゃん、大丈夫か~?』
『ルルちゃん?』
『まじか?TDGきてないの?』
『なんかあったらいつでもくれよ』
毎日のようにチャットをいれたが、ルルちゃんがログインした様子はなかった。
『ライン、待ってるよ』
そうこうしているうちに再診日が明後日に迫ってきた。
もうすぐ一週間になることに気がついて愕然とした。