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ルルちゃんにオンラインオフを持ちかけるべく、ギルチャを開いて、タタタッとタイピングする。
『おはよ。昨日はお疲れさんでした♪
きいたよ、ルルちゃんのおかげで勝てたんだってね』
すると、すぐルルちゃんから反応があった。
おお、繋がってたんだ。
ついついニンマリする。
『おはようございます。ウルフさんも残業お疲れさまでした』
『あー、うん、まぁ残業…というか、接待でね。抜けられんかった(泣)』
『接待ですか。お酒の入るお付き合いだと大変でしょうねぇ』
接待なんか思い出したくもない。痛みがおさまったはずなのにじくじく痛みだしてきた。
『もうね、勘弁して、その話』
『すみません。今日、明日、ウルフさんはオフ会連チャンじゃないですか。
発散して楽しんできてください』
そうそう、忘れちゃいけない。ルルちゃんを誘うんだ。
『ギルドオフも、ルルちゃんいかんのね。ルルちゃん、もしかして対人恐怖とかあるん?』
『かもしれませんね』
『じゃぁさ、電話は?それかスカイプとかラインとか?』
『ごめんなさい。電話もスカイプもできません。ごめんなさい』
あ、ひかれちゃったかな…。しかも、謝らせてしまった。
『ありゃ、やっぱりダメか。
いやいや、強引でこちらこそごめん。
あせっちゃったんだ。
オークがオフ会に誘ったっていっていたからさ』
『オークさんには、ギルドのオフ会もお断りしているんですけど?』
『そうだけど、そっちじゃなくてね。
ルルちゃん、オフ会の時にギルチャはオッケーかな?』
『え?』
よし、ここからが肝心だよな。
『俺もオフ会に参加できなくなっちゃったんだよ』
『それは残念ですね…』
『でね、スカイプで参加ってのも考えだんだけど、ルルちゃんができないなら、ギルチャでみんなで参加ってのもできるんじゃんて思ってね』
ちょっと間があった。頼む、ルルちゃん。
『それなら、参加できます。
気にかけてくれてありがとうございます』
っしゃー!!
思わず、拳をあげてガッツポーズをした。
やった!
『じゃ、ギルチャの時間はオフ会開催の6時から8時の間ってことだから、その間はルルちゃん、強制参加だからねー』
『強制参加って(笑)わかりました。私も、自分のつまみとお酒を用意して、雰囲気を出しておきます』
よしよし。
『おし!ルルちゃん確保!!とりいそぎ、やることがあるからまたね』
『はい。またギルチャで』
言質をとったぞ。考える時間を与えずギルチャをおわらせた。