幼馴染彼女が俺が聞いていないだろうと鷹を括って、粗チンだのエッチが下手くそなどとボロくそ言ってやがる...!多分、双子兄貴と抱き合いながら...!
だがな。そのカレカノ関係は本日を以て終わりを告げる。
家に入ると
猛烈に嫌な予感に襲われた。
まるで悪霊に取り憑かれたみたいに
足取りは重くなり肩もずしりと重くなった。
女の喘ぎ声が聞こえ、
更には兄貴シンヤのささやき声まで聞き取れた。
そう、俺なんかが急遽帰宅して
今、現在、家の中にいて、聞き耳を立てていることなど、どうやらお楽しみ中のふたりは
つゆほども考えていない様子だった。
廊下を静かに歩き、二階へと通じる階段を昇る。
やがて、兄貴の部屋の前まで来た。
兄貴の部屋でもあり、俺の部屋でもあった。
ドアの前で立ち止まり、耳を戸に近づけて更に澄ませる。
会話を聞こうとした。
双子ゆえ、部屋の中にベッドはふたつ。
取り敢えず部屋はパーテーションで区切られてはいたが、出来がいい兄貴は両親に溺愛されていたために、部屋のスペースも俺よりずっと広かった。ちょうど、2:1くらいの割合だった。
シンヤに比べて狭い部屋。双子なのに平等ではなかったんだ。
「双子なのに大きさ違うのね...」
「シンジより、シンヤくんのほうが
色々と上手だね...」
アイリの声だった。
俺と兄貴を比べたみたいだった。
シンヤとしても、その言葉に喜んでいると
みえて、
「俺はあいつより全てに於いて優っているんだよ。昔からそれは変わらない」
「勉強も、運動も、顔もさ、それからモノの大きさもさ。
双子なのに俺の方が形とかいいんだ。
全ての点に於いて。
俺の優位はこの先ずっと変わらない」
「寝返って正解だよ、アイリ...」
「ふふっ...。そーかもね。
あいつってば、粗チンかもしんないww」
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少しでも、おおっ、
と思ったら評価してもらえると頑張れるやもです。